3話
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ルに送り届けたところで、僕が反体制組織に協力していた事は消えません」一度首を振って話を続ける。「いえ、それどころか。僕と貴方方を殺して、醜聞を無かった事にするでしょうね」
レメディウスの説得に、密かに魔杖刀の峰に手を置いて構えていたヤザワが腰を下ろす。
「嫌なことをいう」
ガユスがあり得そうな展望に、落胆して顔を下した。
ヤザワも苦虫を噛み潰したような、表情に変わっている。だが、何か思いついたのかレメディウスに目をやった。
「仕返しに拙者も嫌なことを言わせてもらいます。…………ドーチェッタを殺してその後どうするつもりなのですか?」
ヤザワの言葉に突き刺されたかのように、レメディウスは胸に手を置いた。
その反応にヤザワの方が目を瞬かせる。
「もしかして、何も考えていなかったのですか? 政権を取ってもっといい国にしようとか」今度はヤザワが大きなため息を吐いた。「それは少し無責もが」
余計なことを言うなと言わんばかりに、ガユスがヤザワの動く口をふさいだ。
その後、四人の間に嫌な沈黙が漂う。だが、数瞬ほど後ナリシアの妙に明るい声が上がった。
「私、レメディウスが主導する国なら住んでみたいな。きっとドーチェッタよりはいい国よ」
「――――――」
それでも、レメディウスは何の反応も返さなかった。
もしかしたら考えてたのかもしれない。自身がウルムンを主導した時のことを。そして、見えてしまったのだろう。このままではドーチェッタの二の舞になる運命を。
最悪の予想を振り切るように、レメディウスは首を振った。そして話を反らす為か。ガユスと矢沢に話しかける。
「そういえば、お二人はどうしてここに」
この疑問に男二人が三度アイコンタクトで意見を交わす。
数瞬ほどの間が空いて、ガユスが口を開いた。
「実は、この山に」
そして経緯を話した。
デリラ山脈に宝が捜しに来たと。
その瞬間ナリシアが耐えきれずに失笑を漏らした。
「ナリシア」
「ごめんなさい。でも、この山脈にそんなものある訳が」
無いと続くことはなかった。
ただ黙るヤザワとガユスの様子を見たからだ。
「もしかして、何か見つかったのですか?」
ヤザワとガユスは、視線を交差させて意見を交わす。何度目か解らなくなってきたアイコンタクトを終えて、二人とも重い腰を上げた。
「歩けるならついてくるといい」
「面白いものが見れますよ」
言い終わると、彼等は背を向けて歩き出した。先程までレメディウスとナリシアが倒れていた洞穴へ向かっている。
「あ、待ってください」
「レメディウス。待って」
ヤザワとガユスの後を、少年と少女は追いかける。傷も治療されて食料を
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