第173話 総攻め
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る中、正宗は襄陽城へ突入する兵達に招集をかけた。正宗は正宗軍と孫堅軍のみで襄陽城を陥落させる計画を立てていた。
現在、正宗は蓮華達と一旦分かれ、招集をかけた兵士達が待つ場所に移動していた。彼の後を泉と昨夜から合流した宗寿が付き従っていた。
「車騎将軍、どうか私を城に突入する部隊にお加えください」
「車騎将軍、是非総攻めに参加させてください」
「車騎将軍、我が義勇軍に先方をお任せください。必ず役に立ちますぞ」
早足で移動する正宗達を呼び止める者達がいた。身なりよい男五人と柄の悪そうな服装の男二人が互いに牽制しあいながら正宗に媚びた表情で近づいてきた。正宗は冷めた顔で彼らを見た。
「車騎将軍、私めを御陣の端にお加えください」
七人の男が牽制しあい睨みあいをする中、彼らを横切り男が進み出てきた。年の頃は四十頃、気味の悪い笑みを浮かべた身なりの良い男だった。正宗は足下から頭の上まで見た。身なりからして豪族だろう。彼の肥え太った外見から戦場の経験がないことは明かだった。
「足手まといは必要ない」
正宗は無視して立ち去ろうとした。泉と宗寿も正宗に続く。
「待ってくだせえ! 是非に我が義勇軍をお加えください!」
豪族をあしらい先を急ごうとすると、また別の一団がいた。どう見ても山賊としか思えない凶相の大男が荒くれ者五人を引き連れ正宗に拱手した。
「俺達は彼奴等のような役立たずじゃありません。必ず役に立ちます!」
大男は正宗達に追い縋る男達を嘲笑するよな視線を送ると正宗に自分のことを売り込んできた。
正宗は大男と彼に従う男達から血臭を感じた。泉も正宗と同様に大男達から危険な臭いを感じたのか無意識に銀槍を握る手に力が入る。
「武勇を誇るなら孫文台のように初めから余の元を訪ねろ」
正宗は静かな表情を大男を見上げた。大男は正宗の言葉に一瞬頭に来た表情に変わるが、彼を正面から見据える正宗の雰囲気に身体を震わせていた。正宗は大男の様子を見て興味を失ったように視線を移動した。
「貴様等もな」
正宗は後ろから着いてくる男達に言い終わると、沈黙する彼らを無視して立ち去ろうとした。
「車騎将軍、言い訳のしようもございません!」
正宗の言葉をかわし、先ほど振り払った気味の悪い豪族が手揉みをしながら近づいてきた。
「私は孫太守様の果敢な戦い振りに心打たれ、微力ながら朝廷のために戦いたいと思ったのございます! 是非に機会を賜りたく存じます」
その様子を見た他の者達も正宗に再び城への突入に加わらせて欲しいと求めて来た。正宗は嘆願をする彼らに苛立ちを覚えていた。
「勝手にしろ」
正宗は彼らに総攻めに参加すること許可し去った。正宗の背後からは参加できること
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