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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十七話「救え!攫われたヘンリー」
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リュカとヘンリーは起き上がると今度は何やら言い合いを始め、パパスとレナスは二人を見つめ微笑むと城の中へと戻って行く。
少し離れた場所で二人の子供を、特にヘンリーを憎々そうに見つめながらその口元に笑みを浮かべる王妃に気づく事無く。




―◇◆◇―


決着のつかなかったリュカとヘンリーの二人は互いに背をもたれさせながら座っていた。

「おい……」
「…何?」
「名前、何て言うんだ?」
「僕?僕の名前はリュカ」
「リュカか。俺はヘンリーだ」

そう言いながらヘンリーは振り返ることなく手を差し伸べる。
リュカも同じ様に振り返らずにその手を握り返した。

「俺の父さんは強かったんだ」
「ヘンリーの父さん?」
「この城を守る為に戦って、そして…死んだ」
「そっか。立派な父さんだったんだね」
「当然だ、父さんは世界一の剣士だったんだ!」
「何い、世界一は僕の父さんだよ!」
「俺のだ!」
「僕のだ!」
「「ううう〜〜〜〜〜」」

「「決闘だ!」」

そして始まる第二ラウンド。
それを見ながら溜息を吐くリンクス。

「ガウ〜〜ン…」



結局、第二ラウンドでも決着はつかずに終った。

「もう、父さん達の話は終ったかな?」
「そうだな、俺も部屋に戻るとしよう。リュカも来るか?」
「うん、リンクスも行こう」
「ガウ!」

リンクスを抱き上げて、ヘンリーの部屋に行く為に城の中に入ると、突如裏庭へと続く扉から数人の男達が飛び出して来た。

「よし、この小僧だ。さっさとふん縛れ」
「へいっ!」
「了解でさあ、親方!」
「な、何だお前達は!? 何をする、離せ!」
「五月蝿えっ、大人しくしやがれこのクソガキ!」
「ヘンリーに何するんだ、離してよ!」
「お前には関係無いんだよ、眠ってろ!」
「ぐあぁっ!」
「リュカ!」

ヘンリーは襲い掛かってくる男達に抵抗しようとするがリュカとの決闘で力を使い果たしていていとも簡単に取り押さえられてしまった。
リュカもそんなヘンリーを助けようとするが彼もまた力を使い果たしており、男に壁まで蹴り飛ばされてしまった。

「へへへへ、一国の王子を攫う割には案外楽な仕事だったな。お頭、そこに転がってるガキと変な猫みたいのはどうしやす?」
「そんなのほっとけ。急がねえと城の兵士に気付かれるぞ」

男達はヘンリーに猿轡をして、縛り付けると入って来た扉から早々に逃げ出して行った。

「ま、待てよ…。ヘンリーを返せ!」

リュカは蹴られた腹を押さえながらも男達を負いかける。
しかし、扉から出た所で見たのは、外堀の川から船で連れ去られるヘンリーの姿だった。

「く、くそぉっ!」
「グルゥ…」
「リュカ、どうした!何があった
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