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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十七話「救え!攫われたヘンリー」
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ラインハットの王であるレナスに呼ばれ、城までやって来たパパスがレナスと話をしている間に城の中を見学していたリュカ。
そんな時、壷を割ってしまって困っている侍女を助けた王子のヘンリー。
一部始終を見ていたリュカはヘンリーに決闘をけしかけられてしまったと言う訳だ。
「と言う訳だと言われても」
「何グダグダ言ってやがる。かかって来ないならこっちから行くぞ」
そう言うとヘンリーはリュカに切り掛かり、リュカも剣で受け止める。
二人が使っているのは演習用の刃を潰した剣である。
我流のリュカとは違いヘンリーは父親に教わっていた為、ヘンリーの方が少し押し気味であった。
しかし、リュカの方も数々の実戦を潜り抜けてきており、逆にヘンリーの方はレナスに引き取られてからは実戦からは遠のいていた為リュカ程の急成長は無かったので、徐々にその差は縮まっていった。
「くそぉーーっ!何でお前なんかに!」
「どうしたんだよ?何でそんなに怒ってるんだよ?」
「うるさいっ!」
人にあまり見られたくない場面を見られ、笑われたのがきっかけとなり決闘をしろと叫んでいた。
父より教わった剣術、そして旅の中での魔物相手に繰り返して来た戦闘経験などから魔物をペットにしている様な相手に負ける筈が無いと決めつけていた。
だが実際に勝負をしてみるとかなりの強さであり、それが数多くの実戦経験に裏付けされたものだと言う事はすぐに分かった。
《お前を勇猛で名の知られているパパスに預ける事にする》
ヘンリーは事前に叔父であるレナスに告げられていた。
言ってみれば事実上の追放に等しいのだがヘンリーは笑みを浮かべてその言葉を受け入れた。
レナスがどの様な気持ちでこの判断を下したのかを知っていたし、何よりもこの狭い城から自由な大地へと解き放たれるのが嬉しかった。
パパスの名は父親からも何度か聞いた事があったし、その武勇から彼なりに父親の次に尊敬もしていた。
そんなパパスの元に行けるのだからヘンリーに否は無かった。
しかしそのパパスには子供が居た。
自分と同じ様に父親のパパスと旅をするリュカという子供が。
つまりヘンリーはリュカに嫉妬していた、自分とは違い今も父親と共に居られるリュカの事を。
城に来たばかりのリュカを睨み付けていたのもそれが理由だった。
「はあ、はあ、はあ…、くそっ!」
「はあ、はあ、やっぱり強いや」
十数分後、結局勝負は決着が付かないまま双方の体力切れで終わり、息を切らせながら横たわっていた。
そんな二人の対決をパパスとレナスの二人は城のテラスから眺めていた。
「さすがはパパスの息子だな」
「あの子は私の知らない所で勝手に強くなっていく。私の事など関係ないさ」
「ふっ、そうか」
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