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アインクラッド篇
断章 南十字の追憶
家族
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sight三人称
ギイィィン!!
「おらぁ!」
カアァン!
「だりゃあ!」
アインクラッド第二十四層。その迷宮区で奇妙な三人組が戦闘を繰り広げていた。前衛は黒髪の少年。紅い装飾の付いた黒いジャケットを着ていて、片手直剣を振るってモンスターの攻撃を凌いでいる。装備は明らかにダメージディーラーだが、タンクの仕事をしているようだ。
後衛は二人の槍使い。一人は170cmを越える長身に、ショートカットの似合う少女。もう一人は140cmあるかどうかという低身長で、こちらは腰まで伸びた髪が印象的だ。
「アマギ!まだ大丈夫!?」
「まだまだ余裕!って言いたいけどね。」
「分かったわ、アマネ!いくわよ!!」
「はい!お姉様。」
アマギと呼ばれた少年がソードスキルを使ってモンスター『ファントムナイト』の剣を弾き飛ばす。そこを狙って二人の少女が槍を突き込む。急所に当てて動きが止まった『ファントムナイト』に、いつの間に持ち代えたのだろう、両手剣を思いっきり降り下ろした。破砕音と共に『ファントムナイト』はその身を無数のポリゴン片へと変えた。
sightアマギ
二十四層の強敵。『ファントムナイト』との戦闘に勝利した俺達は、迷宮区内の安全地帯にいた。
「ひょえー、疲れたー。」
「ごめんねー、アマギにはいっつも負担ばっかりかけて。」
話し掛けて来たのは170cmを越え、俺に迫る背丈をもつ歳上の少女だ。名前はアマネ。上二文字が同じなのは偶然ではない。アマネはリアルでの俺の姉だ。
「大丈夫大丈夫、防御のいい練習になるし。」
「お兄様も盾を持てば良いのでは?」
次いで声を上げた、まだ12〜3歳位の少女はアマナ。こっちは妹で我が家の末っ子だ。
「いや、アレ邪魔だし。」
「でも、やっぱり厳しくない?」
「そうですよ?いくら気に入らなくても死んだらお仕舞いなんですから。」
「って言われてもねぇ?実際スピード上げて避けまくった方がトータルのダメージ少ないし。」
「ま、アマギは目が良いからねぇ?」
「お兄様の動体視力と脳の処理速度は、攻略組でもトップクラスですからね。」
「そうか?」
「同レベルモンスター3体に囲まれて、パリィと回避だけで20分も削りダメだけでいられるのはお兄様だけです。」
これは事実だった。ついこの間、トラップに引っ掛かり二人と分断された時、合流するまでの20分間、同レベルモンスターと闘い続けていたのだ。
「ま、取り敢えずは心配ないよ。」
「だといいんだけど。アマギは無茶しがちなとこがあるからねぇ。」
「姉貴に言われたくはない。」
「そうですよね、お兄様?」
「……お前
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