暁 〜小説投稿サイト〜
『夢の中の現実』
『密会U』
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何より離れたくない!!それに...知らん方が幸せなことも在るやん...』

『えらいなぁ零那チャン。父さんも、こんなん知りたぁ無い思うねん。知ってしもぉたら父さん怒り狂うからなぁ。
ただ、施設に入ってたことは前に言うたから父さん知っとるで。理由は言うとらんけどな』

『なんでそれだけ?』
『聞かれたんや施設居ったか』
『それだけ?』
『せや、1万円でな』
『なんでやろ...』
『心配やったんやろな、生活や養父の事も含めて...』

あっという間にタイマーが鳴った。
聞きたいこと、お互いに消化してないから延長。

『俺も零那チャンに聞きたいことあんねん。零那チャン、父さんのことごっつ好きやんなぁ?』

『はいっ!!』

『それってなんで?』

『え、なんで?理由?』

『母さんの方はキライやろ?』

『はいっ!!』

『それはなんで?』

『え、だって...母さんやか何もしてくれなんだし...父さんは家居らんくて、でも、家居らんのは母さんのせいやって...』

『それは事実?』

『...チョット待って?何?何か違う?でも、うん...事実っ!!』

『ゴメン...せや、その通り』

『え、なんなん?』

『零那チャンは芯が強い。守りたいモンは何が何でも守ってきた。今迄の生き様を見てきて、よぉ解ってるつもりや。
でもな、父さん、零那チャンのことになったらアカンねん。ただの父親やねん。
俺、ただの取り立て屋ちゃうねん。零那チャンの父さんのこと、今でも尊敬しとんや。せやからこんなことやっとんねん。
頼むっ!!父さんに嘘の過去を話して安心さしてやってくれ』

頭下げられた。

『そんなん...頭下げられんでも、なんぼでも嘘くらいつく。絶対犯罪者にやかささへんっ』

『零那チャンなら絶対そう言うてくれるって信じてた。あの日、コンビニで会ったのは零那チャンに目撃さす為やったんや。タイミング次第やったけど...今日話せて良かったわ』

『でも、また父さんから連絡くるやんね?情報料とか』

『そっちはどうにでもなる。でも今夜に話してな、嘘の昔話。ほな情報はもう要らん言うやろ』

『解った』

『よし、契約成立!』

『変な感じやけど...でも、父さんのこと好きな人が身近に居るってごっつ嬉しい♪』

『ホンマ変な感じやし変な関係やけどヨロシクなっ♪』

『はいっ』

事情が解ったからか、すごく安心してチカラが抜けてしまった。
この人のこと、信用できると想えた。



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