【壊れかけの】ゼロの使い魔【衛宮士郎を召喚】
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今、正に戦っていた。
未だ戦いの中にいるのだ。
泥に呑まれた、あの黒い巨体との。
嘗てソレが、泥に呑まれ尚剣の使い手との戦いの中にあったように。
最早壊れる、壊れた彼には。悪夢に呑まれる少年の目には。
過去も先も無く、今だけが。
そこにいる妹を守るため、左腕を使う。
一思いに封印を解き、すぐさま投影を。
ピシリ。
何かが壊れる音がした。
壊れる物が未だあることに一瞬の驚きが。
壊れた物は何だったのか。
関係ない。
俺はまだ立っていて、戦える。
誓いも確かにこの胸に。
「投影・開始」
左腕を掲げ、あの巨人の剣を作る。
名前は何だっただろう。
姉であり妹である少女は。
俺の前でしか笑えない優しい後輩は。
剣だけでは届かない。想いだけでは倒せない。
だから。
「投影・装填」
でも、誓ったんだ。
「全工程投影完了―――是、射殺す百頭」
――――――――――――
神技。
正しくそれは神技だった。
人の身では到底扱うことも出来ない程の大剣を、人の身では不可能な技を、左手だけで振るうその姿は、恐ろしく、そして何より美しかった。
観客は僅か二人。
衛宮士郎の召喚主とゴーレムを操る者。
これほどの技、恐らく二度とは。
そうして、衛宮士郎は死んだ。
誇れることがあるのなら。
壊れて尚、守ると誓った想いだけは、変わらずそこにあったことだけ。
もう名前も思い出せない、大切な―――
衛宮士郎は裁かれた。
己を裏切り、誓いを守り。
贖いは、ここに終わりを告げた。
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