第6章 流されて異界
第136話 大元帥明王呪
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行動に出るか分かりますが。
ただ、俺の考えではあの犬神使いは良門ではない。つまり、さつきはこのまま結界の中で拘束され続けるから何の問題も起こる事なく事件は解決する。
そう考えながら、一歩、更に踏み出す俺。
「武神さん?」
弓月さんが、こちらも同じように背中に向け声を掛けて来た。その中には当然、疑問が存在する。
ただ、その疑問が果たしてさつきを解放する、と約束した事に対する疑問なのか、それとも何の説明もなく犬神使いへと接近しようとしている俺の行動に対してなのか、将又、俺が件の犬神使いが平良門でない、と如何にして証明する心算なのかが分からなかったのか。
その辺りに付いては定かではありませんが。
しかし、彼女が発した疑問は一瞬。直ぐに動き始めようとする彼女。
……成るほど。
「いや、弓月さん。貴女はさつきの傍に居てやってくれますか」
彼女は彼女なりに俺の相棒役を務めようとしてくれている。更に、現状に対する判断も素早い上に正確。少なくとも、俺には過ぎた相棒。その事に対して感謝の意味を籠め、振り返りながらそう言う俺。
その俺の右手には既に一枚の呪符が。
振り返った先。其処には既に召喚の祝詞が佳境を迎えた犬神使いの青年の姿が。
そして!
「我、雷公の気――」
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