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IF 完全平和ルート
偽装結婚シリーズ
被害者達の偽装結婚
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……さっさと離婚届に判を押して、姿をくらませるに一票」
「同じく」
「元々火影になる気はなかったからなぁ……、あいつ」
「……もしそんな事になれば……荒れる、のう」
「ああ、うん」
「そうだな……、うん」
「日向の長老殿の言う通りだな」

 なんだかんだで、でもやっぱり見捨てておけない気の良い男達が遠い目になったその時。

「――ふん、荒れさせておけばよろしいのです。結構じゃありませんか、それで」

 男達の切ない願いを薙ぎ払う様な凛然とした声が響き、肩を落としていた男達が揃って目を剥いた。

「え?」
「えぇ!?」
「げぇっ! ミ、ミト殿!?」
「い、い、一体、何時の間にここに……!?」

 いつの間にか室内にいた赤髪の佳人の姿に、一同は騒然とし出す。
 男達の狼狽する光景を物ともせずに、佳人は優雅な所作で湯のみに注がれた緑茶を口に含んだ。

「いつだってよろしいでしょう。とにかく私は反対です。私の柱間様を、どうしてあの様な輩にくれてやらねばならないのです」
「そこまで意固地にならんでも……」

 鼻を鳴らしたその姿は可愛らしいが、彼女の真の姿を長い付き合いで思い知らされている男達は、先程とはまた別の意味で震えた。

「大体、私は最初から結婚自体に反対だったのです。どうせあの男の事です、あの方の人の良さにつけ込んで迷惑をかけ続けるに決まっていますし、事実ここ数年間そうではありませんか」
「あー、まー、否定は出来ないよなぁ……」
「そこはお世辞でも否定しておけ、猿飛の」
「――とにかく。どなたでも良いですから適当な女と結婚して、あの方を解放してくれないものかしら。別にあの男の妻があの方である必要なんてございませんもの」
「……言い過ぎだぞ、ミト殿。――い、いや、何でもありません」

 黒々とした黒雲が佳人の背後で渦を巻いているのを目にした男達は、必死に佳人から目を背けて幻覚だと自らに言い聞かせた。

「私達の柱間様でしたのに! 何が悲しくてあの様な輩に偽装とはいえ夫と言う立場に立たせねばならなかったのです!? ああもう、思い出すだけで口惜しい……!!」
「里の若い衆には見せられない光景だよなぁ……」
「ああ、うん。確かに、色々とそうだな」
「好きにおっしゃいませ。……まあ、幸いと言っていいのか。最終的な難関でした岩隠れの里との同盟も、もうじき結ばれそうですし、貴方方の徒労もそれまででお済みになるでしょうね」

 そういって優雅な振る舞いのまま室内を立ち去った佳人の残した最後の言葉に、室内の男達は先程の動揺が目ではない程に狼狽した。

「不味いぞ! そんな事になってみろ、間違いなく今までの比じゃない程の被害が出る!!」
「もうどうしようもない! 最終手段だ!! さっさと自覚さ
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