第四章
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「いざって時はそうするんだから」
「すぐに決めるって?」
「そうよ、強引な位に」
「だってワルトラウテが言ったから」
「だからっていうの」
「そう、もっとね」
それこそというのだ、それでだった。
二人でその服を買った、そのうえで。
ワルトラウテはジークフリートと共にその服を着てフェスタに出た、その服はというと。
「あら、そうきたの」
「その服選んでもらったのね」
「それで着てるのね」
「そうなの」
ワルトラウテはにこりとしてだ、フェスタに来ている友人達に答えた、見れば。
襟のところが広いパウスリーブになっているピンクのブラウスに袖のない濃い紫のボティスを着ていて。
ギャザーが多く入ったくるぶし近くまであえるダークグリーンのスカート、そして青緑を基調として白や赤の刺繍が入ったエプロンそれに白靴下とヒールの黒靴といった格好だ。エプロンは左で締めて髪も後ろで縛ってまとめている。
その彼女の服を見てだ、友人達は言った。
「ディアンドルにしたのね」
「我が国の伝統衣装」
「それできたのね」
「ジークフリートが言ったの」
横にいる彼に顔をやっての言葉だ。
「フェスタならこれがいいって」
「それに似合うって思ったから」
ジークフリートも言う。
「そうしたんだ」
「そうなのね」
「確かに似合うわね」
「ジークフリートいいセンスしてるわ」
「ワルトラウテの着こなしもいいけれど」
「お嬢さんになったのね、私」
ディアンドルの言葉の意味もだ、ワルトラウテはくすりと笑って言った。
「ディアンドルを着て」
「そうね、確かにね」
「そうなったね」
「ディアンドル着てるから」
「お嬢さんになったのね」
「じゃあこれからね」
満面の笑みでだ、ワルトラウテは友人達に言った。
「二人で楽しむわね」
「フェスタのデートを」
「それをなのね」
「うん、そうするわ」
笑顔での言葉だった、そしてだった。
二人でだ、一緒にだった。
フェスタを回りはじめた、だが。
ここでだ、ジークフリートは売店が並ぶその中をいてこんなことを言った。
「何を食べようかな」
「迷ってるの?」
「ううん、ソーセージもいいしお菓子もいいし」
「また迷って」
「最初は何を食べようかな」
「迷わなくていいのよ」
ワルトラウテはむっとした顔でだ、彼に言った。
「何でも食べたいの食べたらいいのよ」
「そうすればいいんだ」
「そう、何でもね」
「じゃあまずは」
「はい、まずはこれよ」
ここでだ、ワルトラウテは。
傍の売店でビールを買ってジークフリートに手渡した、勿論自分のものも買っている。
「飲んでね」
「フェスタだから」
「ビールよ、だから迷わないの」
また言うのだっ
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