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有り得ない強敵
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第一章

                     有り得ない強敵
 昭和の終わり頃の話である。この頃ゲームセンターはアーケードゲームがだ。今より遥かに栄えていた。その中には多くの少年がいた。
 その少年の一人十島眞一郎はゲームが趣味だ。それもアーケードゲームである。
 これまで数多くのゲームをワンコインでクリアしてきた。とにかくどんなゲームでもクリアしてみせる、彼の誇りであった。
 その彼がだ。今やっているゲームはだ。『忍者くん』というゲームであった。 
 赤いやたら小さい忍者を操って妖怪達を倒していく。彼のその天才と言っても過言ではないゲームの腕はこのゲームにおいても遺憾なく発揮されだ。山や城を舞台にしたステージを所狭しと暴れ回り敵キャラ達を翻弄する様にして倒していく。ステージを次々とクリアしていく。
「何だよ、大したゲームじゃないな」
 彼はプレイしながらこう呟いた。周りには多くの席があり彼と同じゲーマー達がプレイしている。その音楽や効果音が暗い店の中に響いている。 
 その中でだ。彼は呟くのだった。
「黒子、達磨、歌舞伎、雷、獅子舞、骸骨、蜥蜴、どれも出て来てすぐに倒すか頭を踏んで気絶させてから倒せば問題ないな。大したゲームじゃないな」
 こう言ってだ。敵を倒していく。まさに快進撃だった。
 だが、その中でだ。画面にだ。
 鎧兜に身を包んだ敵が出て来た。眞一郎はその敵を見てだ。
 他の敵と同じ様にすぐに近付き攻撃を仕掛けた。ところが。
 攻撃を受けてもだ。死なないのだ。平気な顔をしてそこに立っている。
 そして攻撃はだ。ビームの如き速さの弓矢だった。
「な、何だこいつ!?」
 彼は慌てて攻撃をかわしながら言った。
「攻撃受けても死なないのかよ。何なんだよ」
 とりあえずだ。頭を踏んだ。それで気絶させて何とか倒した。一人だけなので何とかなった。しかしだ。

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