暁 〜小説投稿サイト〜
ディアンドル
第二章

[8]前話 [2]次話
「けれどね」
「どうしてもっていうのね」
「僕はね」
「全く、考えることはあなたのいいところでも」
 それでもというのだ。
「もっとね」
「はっきりとだね」
「決めないと嫌よ」
「そうだね、優柔不断はね」
「いざっていう時に」
「咄嗟に決めないといけない時に」
「走っていて迷わないでしょ」
 ジークフリートが部活で楽しんでいるその競技もというのだ。
「そうでしょ」
「うん、全然ね」
「やれば出来るから」
「僕もだね」
「しっかりね」
「そうするよ」
「そういうことでね、それでね」
 ワルトラウテはここでだ、話題を変えた。今度の話題は。
「もうそろそろ十月で」
「フェスタだね」
「その時にね」
 スパゲティを食べつつだ、ジークフリートに話すのだった。
「服を選んで欲しいけれど」
「フェスタの時に着る」
「その時にどの服がいいか」
「選んで欲しいだね」
「そうなの、何といってもね」
 それこそというのだ。
「フェスタの時は晴れ着を着ないとね」
「やっぱり女の子はね」
「そう、だからね」
 それでというのだった。
「服選んでね」
「それじゃあね」
 こう話してだ、そしてだった。
 この時は二人でピザとスパゲティを食べてだ、その後のデートも楽しんだ。デートはワルトラウテがリードしたものだった。
 ワルトラウテはジークフリートの優柔不断さが歯痒かった、だが。
 友人達にはだ、こう言うのだった。
「性格もいいし」
「ただ迷うだけで」
「他はっていうのね」
「問題ないっていうのね」
「そうなの、最高の彼氏よ」 
 例え優柔不断でもというのだ。
「ジークフリートはね」
「そうなのね」
「いつも言う通り」
「そうだっていうのね」
「ええ、それにその優柔不断もね」
 それもというのだ。
「いざっていう時はね」
「決めてるっていうのね」
「ちゃんと」
「陸上で走ったり跳ぶ時は」
 まさにそうした時はというのだ。
「思いきりいいから」
「そうしてるから」
「だからなのね」
「ジークフリートはいざって時は決める」
「そうした子なのね」
「そうよ、だから今度はね」
 そのフェスタの時はというのだ。
「しっかりとね」
「決めてもらうのね」
「どの服がいいか」
「そのことを」
「絶対にね」
 しっかりとした口調での言葉だった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ