1部分:第一章
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第一章
二十四周目
昔の話だ。ある子供用の漫画雑誌でだ。『スパルタンエックス』というファミコンのゲームについてあれこれと書かれていた。
所謂攻略を競い合う漫画だ。この頃は色々な雑誌にファミコンソフトをクリアーすることを競い合うゲームが多く存在していたのだ。しかしだ。その漫画はそうした漫画の中でとりわけ有名でありだ。この時の話は多くの子供が読んでいたのだ。
漫画ではゲームを進めて二十四周目に入るとだ。恐ろしいことが起こると書かれていたのである。その内容を見て子供達は誰もが驚きを隠せなかった。
「二十四周目に入ったらヒロインのシルヴィアに襲われるっていうのか!?」
「あれ本当なのか?」
「じゃあシルヴィアが本当のラスボスだったのか?」
こうだ。男の子達はそのことについてあれこれと話すのだった。
それが本当かどうかということがだ。話題になるのだった。だが二十四周である。二周や三周ではなくだ。二十四周である。そこまで回れるかどうかというとだ。かなり難しいことだった。
それでだ。子供達はまずそのことからできるかどうか怖気付いてだ。困った顔になるのだった。一周をクリアするのならやり込めばできた。しかしである。
何しろ二十四周である。できるかどうかわからなかった。それでだ。ことの真相を明らかにすること自体が疑問だった。しかしである。
ある子供がだ。果敢にもだった。
挑戦することを決意した。日曜の朝早く、塾や野球の約束がない日にだ。部屋でファミコンをはじめてだ。それからだった。
まずは一周目をクリアーした。普段はそれで喜ぶところだ。しかしだ。
彼はこの時はそれで喜ばなかった。あと二十三周だ。それだけクリアーしなくては真実はわからない。それで果敢に挑んだのである。
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