ウェンディの元へ
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シリルside
「雲竜水!!」
「があああああああ!!」
頭上から、俺の雲竜水を受けたことで地面へゆっくりと落ちていくアトラスフレイム。俺の攻撃が当たるようにとドラゴンの腕を掴んでいたレオンとシェリアは、それを見て素早く後方へと飛ぶように逃げていく。
ドタァンッ
力尽きたかのように地面に伏すアトラスフレイム。倒れ方も俺たち魔導士とは異なりダイナミックで、塗装された道は沈み、倒れた衝撃で周囲の建物が壊れているところがあった。
「やったか!?」
「すごいよシリル!!」
地上に降り、ハイタッチする俺とラウル。そこにレオンとシェリアも駆けてくる。
「すごいねシリル!!今のは完全に決まってたよ!!」
「さすがの一言だね」
シェリアと両手でハイタッチし、レオンとグーを合わせるように喜びを分かち合う俺。完全に勝利したと思っていた俺たちだったが、後ろからすぐに怒りに満ちた声が聞こえてくる。
「よくもやってくれたなぁ!!ガキども!!」
「「「「!!」」」」
倒したのかと思っていたアトラスフレイム。だけど、そんな簡単にやられてくれるはずもなく、翼を大きく広げ、俺たちを見下ろしていた。
「うひゃー。やっぱり防御力はケタが違うなぁ」
「絶対倒したと思ったのに・・・」
棒読みしているような話し方のレオンとまたしても立ち上がったことに驚きを隠しきれないシェリア。かくいう俺も、勝利した気分になっていたから、驚いていることには変わりないけど。
「でも、何も問題ないとも思えるな」
俺は呟くようにそう言う。確かに今ので倒せなかったのは驚いた。だけど、今の魔法はソフィアには返されているわけだし、決め切るには力が足りないと考えてもおかしくない。
それに、こっちは四人で相手は一頭。連携すれば断然こっちが有利だし、レオンと対戦したから言えることだけど、彼に比べれば奴のパワーは恐れるほどのものじゃない。
こちらが有利なのは言うまでもない事実。ただ、それはアトラスフレイムが本気で戦っている場合の話だった。
「人間に本気を出すことになるとは思ってもいなかったが・・・仕方ない。我の全力を喰らうがよい!!」
そう言うアトラスフレイムの体が・・・彼を包んでいる炎が燃え上がる。それは先ほどまでの炎を上回っており、周囲になんとか残っていた建物のうち数棟が溶け始めている。
「っ!!」
「熱!!」
「すごい温度・・・」
「レオン冷やして〜!!」
あまりの高温に俺たちは顔を歪める。熱さに耐えられなかったラウルの頭にレオンが手を当てると、体が冷えたのか、ラウルは元の静かな状態に戻っていた。
「みんな注意しろ!!来るぞ!!」
レオンが熱で顔を反らしかけていた俺たちにそう言う。すると、アトラ
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