第十一幕その九
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「行かなかったのよ」
「今までは」
「そうだったの、けれどね」
「今の私達はどう思うかしら」
「別の国の別の人みたいよ」
アンが以前来た時と比べてというのです。
「それこそね」
「そう言ってくれるのね」
「実際にそう思うわ。それじゃあね」
「ええ、貯蔵庫に案内してもらって」
アンもというのです。
「蜂蜜を頂くわ」
「それではね、それとね」
「それと?」
「丁度おやつの時間ね」
にこりと笑ってです、こうも言った女王でした。
「今はね」
「あっ、そういえばそうだね」
モジャボロは女王のお話を聞いて懐から懐中時計を出して時間をチェックして応えました。
「もうね」
「皆でおやつを食べましょう」
貯蔵庫に行く前にというのです。
「まずはね」
「そうしてなのね」
「そう、それからね」
いよいよというのです。
「貯蔵庫に行きましょう」
「薔薇の国だから」
腹ペコタイガーは女王のお話を聞いて言いました。
「やっぱり薔薇を使った」
「ええ、お菓子とね」
「その蜂蜜もかな」
「あるわよ」
そちらもというのです。
「それ自体も蜂蜜を使ったお菓子もね」
「あるのね」
「ええ、だからね」
「それを楽しめばいいのね」
「おやつの時はね」
「そうなのね」
「遠慮はいらないわ」
女王はにこりと笑ってです、アンに言います。
「皆で楽しく食べましょう」
「何かお話をすればする程」
しみじみとして言うアンでした。
「別の国に来たみたいね」
「今は凄くいい国でしょ」
「悪い印象は受けないわ」
こうトロットにも答えます。
「それじゃあ」
「ええ、まずはおやつを食べましょう」
こうしてでした、皆でです。
まずはおやつをご馳走になりました。薔薇のプティングと蜂蜜で作ったお菓子に薔薇と蜂蜜のケーキにです。
ローズティーです、そのティーセットを見てでした。
恵梨香は女王にです、こう言いました。
「何か」
「ええ、薔薇の国だから」
「それで薔薇となんですね」
「そうよ、お菓子も薔薇でね」
「それで蜂蜜もあって」
「こうした風なのよ」
「そうなんですね」
恵梨香はここまで聞いて頷きました、そして。
そのお菓子とお茶の香りを感じ取ってです、こうも言いました。
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