第十四話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
る視線が厳しい。理由はわかるよ。いくら大勢の<奴ら>を倒すためとはいえ、避難民を巻き添えにしてクレイモア地雷を使用したんだからな。
「先輩……」
「言いたいことは分かるよ。この危機的状況を抜けだしたら、いくらでも聞いてやるよ」
「小室君。彼の言う通りだ。今はこの状況を乗り越える事を第一と考えよ!」
高城の親父さん。この瞬間は助かるよ……みんなも俺に対して何か言いたいそうな表情だが、クレイモア地雷で大勢の<奴ら>を吹き飛ばして危機を脱したように見えるが、そうではない。俺が吹きとばした<奴ら>は前座で、ここからがメインとなる<奴ら>が押し寄せてくるんだからな。
副官と思われる男性が、高城の親父さんに近づいて報告する。
「会長。二階から確認しました。隣家に配置した者たちはまだ襲われていません。門の修復も可能です!」
この報告を聞いた後の高城の親父さんの行動は早かった。部下達に隣家に向かう為にクレイモア地雷で<奴ら>を大勢吹き飛ばしたが、それでも門の外には多くの<奴ら>がいるなかを中央突破すると命令した。そして生き残った避難民にも戦う気概があるなら戦えと命令をだす。この親父さんの提案に高城は異議を唱えて、家の中に立てこもった方がいいと伝えたが、高城の親父さんは鉄門すら破るほどの力がある<奴ら>相手に立てこもっても無意味だと伝えた。これに関しては高城の親父さんの言った事が正しいと思う。
そして高城の親父さん達の部下は、屋敷の中で既に肉片となっている死体の山を乗り越えるように進む<奴ら>に向けてアサルトライフル、ボルトアクションライフル、拳銃……etc。ありったけの銃器を揃えて、<奴ら>に照準を合わせる。
「撃て!!」
高城の親父さんの号令と共に銃弾は一斉掃射される。基本的に<奴ら>はのろのろと動くだけで、無数の銃弾の雨を容赦なくあびた。これに策という策もない<奴ら>は、バタバタと糸が切れた人形のように倒れていく。それでも、外にいる<奴ら>の数は多く、<奴ら>から肉の間溜まりとなった物の山を越えてくるように次々と進んでくる。
「手榴弾、ダイナマイトを投げよ」
密集している<奴ら>にめがけて手榴弾とダイナマイトを投げるように指示を出す高城の親父さん。次々ととてつもない爆発音が響き渡る。アサルトライフル、短機関銃、拳銃に加えて手榴弾にダイナマイト。そして俺が使った対人地雷のクレイモア。いくら世界が崩壊したとはいえ、この屋敷という狭い空間で戦争が起きている。
銃弾の雨に、爆発のオーケストラに鈍器や刃物のドラムといった戦争という狂気の世界がこの屋敷で繰り広げられていた。
俺は思わず見とれてしまっていた。そんな時に平野から声がかかる。
「先輩!車庫の方に来てください!」
平野の言わ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ