暁 〜小説投稿サイト〜
moon light fantasy
変わるガエル
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がいたからな。
……ソーニャから貰ったな?」

それを聞いて裁判長カエルは嫌そうな顔をさらにしかめてフォルツをまじまじと見つめた。

「あの猫から貰ったのね。……おかげで私はこの世界の主として君臨し、最高のバッドエンドの世界を作れたよね。」

そう言うと裁判長カエルはすこし機嫌を良くして喋り始める。

「まあ、あの猫は最悪だけどこの力は良かったね。人々を本の中に閉じ込め少しずつ絶望を与えてバッドエンド。その時の絶望に駆られた人間の顔……!最高だったね。
……今回の獲物も極上ね?わざと2人を逃して美しい方を汚すこの快感。舌舐めずりしちゃうね。」

そう言って舌舐めずりして2人を見つめる。フローラはひっ!と自分の肩を抱き、アリスはぎゅっと唇を噛み締めた。
それを横目に見てフォルツは。

「そうか……。
ならお前を切る伏せる百万の理由にも勝る。俺の花嫁も酷い目に合わせようとした訳だしな。」

そう言ってマモンに向けて夢幻剣をゆっくりと突きつけるとマモンはニヤリとカエルの気持ち悪い笑みを浮かべて。

「ところでいいのかね?その大切な2人は……。」

するとマモンの取り出したのは何の変哲もない音叉。それをいきなりコーンと鳴らした。

「大変な目にあってしまうのにね。」

するとその音と共に大量の大きなカエルが一瞬にして現れ2人の入った鳥かごを舐め始めた。その舐めたところはジュウジュウと音を立てて少しずつ……少しずつ溶け始める。

「ヒ、ヒカルくん……!」
「フォルツ!」
「フローラ!」
「アリス!」

その状況にマモンはニヤニヤと笑いながら。

「さてさて鳥かごの鉄が全て溶けた時……どうなるかね?カエルさん達から酷い目に合うかもね〜?」
「……!」

その言葉を聞いてヒカルは黙ってフローラのいる鳥かごに群がるカエルを切り払おうとする。
しかしマモンが突如としてカエルらしからぬ俊敏な動きでヒカルの進路を妨害する。

「だめねー?あの子達が酷い目に合うまで私が貴方達の相手をしてあげるからねー?
……愛する者が目の前で汚される絶望をその身に刻むといいね。」
「悪いがフローラにそんな未来は来させない。」
「あいにくカエルは苦手でな。遠慮なく切り刻む。」

2人の王子様はそう言ってマモンという名の『7つの大罪』……もとい巨大なカエルを睨みつけた。
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