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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第9章 その後 第99訓練施設にて
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と。」
と意地の悪そうな目で私を見るオスカー
クレア曹長は顔を真っ赤にさせて兄に抗議の目を向けている
オスカーはそんなことお構いなしにクレア曹長をからかっている
その様子を見てどこかうらやましいような感覚にとらわれた。
自分にも生き別れの兄がいた
もし、生き別れていなかったらこんな感じだったのかなーなんて思ってみてしまう。
するとアナウンスで
「ハイネセン発 13時45分着の便が到着しました。
お迎えの方は第9ロビーまでお越しください」
私は2人に
「そろそろいかなくちゃ
良い休日を!」
と言ったら向こうも
「良い休日を!」
と返してきた。
第9ロビーに走っていく
人がぞろぞろと出てくる
めちゃくちゃ人が多い
あーくそ
みんなおんなじような服装しやがって
と少し人ごみに慣れない中イライラしそうになってると
水色のワンピースを着た女性が歩いていた
不安そうにきょろきょろと周囲を見回している
私はすかさず
「ニコール!」
と呼ぶとその女性は立ち止まってにっこりと笑ってこっちに向かって走ってきた
思いっきり受け止める
人前ではあまりにも恥ずかしかったがニコールはお構いなしだった
「長旅お疲れさま」
と声をかけると
「どうも。教官」
と微笑みながらこっちを見てきた。
相変わらずのチャーミングさに惚れ直してしまった。
宿までの無人タクシーの間は教官としての話や笑い話、休暇期間中どこに行くかの話に花が咲いた。
軍港からエーゲ郊外までは2時間近くかかる
途中で長旅の疲れが出たのかニコールがうとうとし始め肩を貸して寝かした。
本人曰くではあったが軍医士官学校での飛び級は結構例外で周りの学生からは尊敬もあるが疎まれることもあるらしく結構精神に来るといっていた
私は第2艦隊旗艦パトロクロスの外科部長であったコーネリア・ケインズ軍医少佐から聞かせてもらったがニコールは並外れた外科のセンスがあるらしい
本人に経験がないからなのかどうなのかは不明であるが、結構ベテラン軍医でも躊躇するような応急手術を平然とこなして成功させてしまうらしい。
しかし、彼女はよく言えば冷静、悪く言えば冷酷であるらしい
そのよい例が私の左腕だった
私の左腕は結果論からいけば切断しなければ非常にまずい状況に陥って敗血症を引き起こした可能性があったらしいが、ニコールは私が担架で運ばれてきた瞬間動きが止まって私の首にかかってる認識票を2度も見直したらしい。といってもものの1分程度らしいが
そして、彼女はいつものように即決で切断の有無を決定した。
「シュナイダー大尉の左ひじ以下の腕を切断します。」
ときっぱりと言い切ったそうだ。
周りの軍医が抗議したら(まあ、破片がぶっ刺さってただけだったので)
彼女は強く
「今ここで切断
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