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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第9章 その後 第99訓練施設にて
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て主ではなかったためその初歩的訓練で終わってしまった。
それでも候補生たちからは「良い経験になりました」とかいろいろと感謝の言葉を聞けてそれなりにうれしかった。
ほかの訓練としては艦艇要員訓練用施設で、砲術・航宙術・操艦術などを学び、スパルタニアンの模擬訓練機でシュミレーションを行ったりした。
候補生たちには一応日曜日のみ休日があり、彼らは制服着用を義務付けられながらもエーゲの町に繰り出していった。
士官学校と違って門限はなく、月曜日の朝起床時にベッドの上で寝ていればOKという結構甘いものだった。私たち教官陣もあれこれ言うのが面倒であったし、そんなこと大学生なんだから自分でやれというスタンスであったので彼らの生活には特別注意しなかった。
このエーゲの街並みは非常に素晴らしかった
透き通るような青い海
きれいな白い家が立ち並び
そして、親切な人々

前線は比較的安定しているようだった
イゼルローンでは双方が大損害を受けたわけで大攻勢をかけようもなかったし、かけられるだけの余力がなかった。
私の士官学校同期の親友だったナセル・ガルシア少佐はここエーゲ出身で生粋のエリート軍人一家だった。
彼の父クリス・ガルシアは同盟軍士官学校を卒業後生粋の戦艦乗りとして少将:第9艦隊副司令官まで勤め上げて退役した将官で母メイリン・ガルシアは女性としては珍しいスパルタニアンのパイロットで第88独立空戦隊指揮官:中佐で退役しているエースパイロットだった。
彼らはその時エーゲで小さな宿屋兼レストランを営んでいた
ナセル少佐がよく
「母が作るアクアパッツァがうまいから絶対来いよ!」
としょっちゅう誘われてたのに結局彼が生きているうちに一回も行くことができなかった。
赴任してから1か月がたち、我々教官たちにも1週間の休暇が順番で回ってきた。
その頃はニコールの在籍する軍医士官学校は長期休暇に入っておりニコールは長期休暇前に行われた上級医師国家試験(軍医士官学校では3年生時に医師国家試験を受けており、上級は専門医への第1歩目)の予備試験に合格したため、このまま実技・口頭試問・訓練で合格すれば念願の医務官になれるというところまで来ており、それの前祝も含めてニコールをエーゲに呼び寄せた。
教官たちには休暇が与えられてるといっても1週間だけなので自動的にレンボガンで過ごすことになるので私たちもレンボガンで1週間を過ごした。
教官宿舎は快適できれいなところだったがニコールをそこに泊めるわけにもいかなかったのでナセル少佐の両親の経営する宿屋に1週間滞在することにした。
エーゲは中心街と郊外があって宿泊先は郊外の海辺にあった。
ニコールとはエーゲ軍港で落ち合った。
とりあえず彼女と会うときはわかりやすいように軍服を着て待つことにしていたが
周囲には長期休
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