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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第49話 人間と妖怪
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のか? と言う所。モカに関しては、血を吸われたから、間違いないだろうけれど。

「ははは。ありがとう。ん、月音も、俺のこと普通の友として扱ってくれるか?」

 カイトは、そんな月音を見て、そう言った。

「え… あ、うん! そんなに凄いって、知らなくてさ……、 ちょっと驚いたけどもちろんだよ」

 月音がそう返したら、カイトは笑顔を見せてくれた。
 その表情を見たら、どう見ても人間にしか見えなかった。

「……でも、そういえば 2人ともどっから見たって人間にしか見えないよ? 本当に…その…」

 月音は、言葉に詰まりながら、疑問だった事を訊いていた。

「うん。もちろん。」
「ん…。基本的に姿形は人間と大差ないからな……。ん…、ちょっと見せ様かな」

 カイトは、女神から貰った石の力。
 もう、身体の中に取り込み、己の力に昇華させた力の内の1つ。あまり害の無い力を選んで、拳に力を込めた。

「いくぞ? よ、っと……」

 拳をゆっくりと開くと、その掌の上に、拳大ほどの大きさの炎が生まれた。

「タネも仕掛けもありません……よ、っと」

 今度は、全く逆の力。炎を一瞬で凍らせ、握り締めて砕いた。砕けた氷が宙に舞う。

「……まあ 手品みたいだからあんまり驚かないかな?」

 苦笑いをしながら、カイトは2人のほうを見てみると、そうでも無かった様だ。

「そんなことないよ! 凄かったよ!!」
「う…うん! 凄い!!(あんなの見せられたら信じる以外無いよ…… だって、仕込みって感じしないし…… 自分で手品みたいなもの、って言っちゃったら……)」

 どうやら、2人とも信じてくれた様だった。
 そして、モカだが 少しだけ表情を落とした。

「わたしはね…、カイトみたいに見せられないんだ…。それに、人間っぽいって言うのも、仕様がないの」

 モカはそう言うと、胸元の十字架(ロザリオ)を見せた。

「私はね、この胸のロザリオを外すと、凶悪でコワ〜い 本物のバンパイアになるんだよ。私はもともと争いとか嫌いだからさ 自分からロザリオを付けて力を封印してるんだ」
「………ロザリオ、か」
「(凶悪なバンパイアになるっていうのは信じられないな……)」

 今のモカの姿を見て《凶悪》はどうしても想像が出来ないのだろう。特に月音は。カイトは、知っているから、分からなくもない。……だが、その(・・)モカについても知っているから、肯けないのだ。

「なるほど……、正体がバンパイアなのに十字架(ロザリオ)を付けてるからおかしいと思ったけどそういう理由だったんだな」

 モカの説明を聞きカイトはそう呟く。
 理由については 知っている。だが、根幹については知らない部分は圧倒的に多かった
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