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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#28 カイツールを目指して
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れてきたのであろう岩が多数転がっていた。足場が悪く、水辺に入ってしまえば足が取られてしまう。つまり、戦闘になってしまったら、非常に危険な場所。
……なのに、今目の前には沢山いる。
「……何? この、モンスターの数……」
アルは、ため息を吐いていた。
アルの言う様に、今現在 自分達の周囲を囲むかの様に、巨大蛙やら亀やらが団体で現れていた。つまり、足場が悪いとか、そう言うのは関係ない。ここに生息するモンスターにとっては、そんなの全く関係ないので、早速バトル開始だ。
大きな亀が、その想像に反して、素早い動きで真っ先に襲い掛かってきた。
だが。
「真空破斬ッ!」
その巨大亀の倍以上の速度でガイが接近すると、更に素早い剣術でまとめて薙ぎ払った。
そして、ガイの周囲に群がる巨大蛙には、追撃の譜術。
「仇なす者よ 聖なる刻印を刻め…… 《エクレールラルム》」
それは、ティアの譜術。生み出した光が十字を描き、その光の壁で攻撃する。光に包まれたモンスター達はまるで蒸発するかの様に、光にかき消された。
「……これは本当に楽できそう」
これまでの戦闘では、絶対的にモンスターの数に対して、味方の数が少ない。だからこそ、攻撃の回数も増えるし、更に防御も考えなければならない。口に出しては決して言わないが、イオンも守らなければならないから、更に集中しなければならないのだ。
だが、今は違う。ガイも大分戦いなれている様子であり、全くモンスター達は問題にならなかった。
「おい! アル! 後ろだ!!」
アルの死角から飛びかかってきた蛙を見て、ルークが叫んだ。
確かに、大分楽になったとは言え、決して油断をしている訳ではない。
「ありがとっ! 大丈夫だよ! ……大地の脈動、《グランド・ウォール》」
襲いかかってくる蛙だったが、途端に地面そのものがせり上がり、ナイスタイミングだった様で、勢いのままに正面衝突をした。
「はーい、前方不注意、だね」
頭からぶつかってきて、頭の上に星を作って、のびてる魔物にそう言い棄てた。
「アイツすげぇな………やっぱ」
ルークは、聞こえない様に小さな声で呟いた。
これまでの戦闘で、アルの譜術は何度も見てきている。何度も思う事だが、譜術と言うものは、詠唱の最中は無防備と言っていいのに、アルの場合は、まるで隙が無いのだ。要所要所に置いて、種類を変えている、と言う事は判るが、その判断力は驚嘆だった。
そして、更に言えば一瞬の詠唱で、術を発生させる所が何よりも、凄い、と感じた。
ジェイドやティアは、詠唱を行う時、僅かながら隙が出来ると言うのに。
「ルーク。考え込んでいる暇があるんです
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