二十四話:訓練と会話
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もキラキラとした目を向けてくる。
対するなのははやての時以上にどう言えばいいのだろうかと困ってしまう。
正直に話せば、最初は訳も分からぬうちに攻撃を受けてしまった。
そもそも、名前を聞くためだけにどれほどの血と汗と涙を必要としたことか。
思い出せば出すほどに説明していいものかと迷いが生じてくる。
だが、逃げるわけにもいかない。そこで、なのはは決断した。
「偶々、私とフェイトちゃんが探しているものが同じでそれを探している時に出会って競い合ったのが私達の出会いかなー」
取りあえず、嘘をつくことはせずに核心部分をごまかしながら説明をする。
PT事件の詳細に関しては話すのならばフェイトの許可は必須。
さらに言えば、子ども達には出会い頭に勝負などマネはしてほしくない。
また、正直に恥ずかしいという思いもある。
それ故に泥臭い戦いではなく、爽やかな青春を思い描くような説明にしたのだ。
「小さい頃のフェイトさんになのはさん……会ってみたいです」
「あはは、そんなにありがたいものでもないんだけどなー」
「でも、僕も会ってみたいです」
幼い子ども達二人が楽しそうに笑い、それにつられて他の三人も笑う。
最初の頃とは比べ物にならないほどに空気もほぐされてきて穏やかな雰囲気が流れる。
スバルも上司の手前なので抑えていた食事の手を解放し、勢い良く食べるのを再開する。
ティアナの方も紅茶を飲み、デザートのシュークリームを口にする。
それを目聡く見つけたなのはが自身の実家の宣伝を始める。
「さっきも言ったけど、私の実家は喫茶店をやっていて、お母さんの作るシュークリームは絶品なんだよ」
「そんなに美味しいんですか?」
「うん。雑誌にも紹介されたことがあるんだから、味は私が保証するよ。もし、みんなが地球に来ることがあったら紹介するね」
そこまで食に拘りがある方ではないティアナであるが、ここまで押されれば興味がわく。
何よりも、今まで遥か遠くに感じていたなのはが年頃の女性らしい顔で進めてきたのが効いた。
先ほどまでよりもずっとなのはを身近に感じられるようになり、尊敬とは違った親しみの感情が知らず知らずのうちに芽生えていたのだった。
「そんなに美味しいならお姉ちゃんとお父さんに食べさせてあげたいな」
「ぜひ、そうしてくれると嬉しいな。しっかりサービスするからね」
「何だか今のなのはさんは店員さんみたいですね」
「これでも実家で手伝いをするときは看板娘ですから」
少し威張ったように胸を張って見せるなのはの姿にフォワード陣は自然な笑みを見せる。
その笑みを見てなのはは心の中で安堵の息を吐く。
以前、教導隊に入る前にリーゼ姉妹に教わった内容の中に、長
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