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なみだ
ヨン
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ソップは唖然とそれを見つめていた。
ちなみに追いかけてきたレストランの店主や周りの住民たちもウソップと同じような顔をしている。




「おい!おまえ!強いな!でも、おれ、戦う気、ないんだけどなぁ!」




「なら大人しくお金を払いなさい!」




「だって、持って、ねーもん、よー!」




「持ってないなら!店に入るな!」




攻撃の合間、合間に会話を交わすルフィと(シン)
ルフィは心なしか少し楽しそうに、その攻撃をかわしているようだった。
(シン)はそんなルフィにひるむことなく、くるくると身体を動かしながら攻撃を続けていた。




「うひゃひゃひゃ!久しぶりに強いヤツと喧嘩すんなー!」




「くそ、私ばかり体力消耗させられて…!(ヘラヘラかわしやがって、この…!)」




「ん?うわっ、いってぇ!なんだなんだぁ?」




ヘラヘラと笑いながら全ての攻撃をかわされ、(シン)は完全に頭に血が上っていた。
死ぬほど鍛えてきた体術がまったく効かないのだから、無理もない。
思考も行き届かないほど血が上った(シン)は、ルフィの顔面正面にむかって蹴りを繰り出しながら、両手のひらをパン!と勢いよく合わせた。

そして石でできた地面に手をつけたかと思うと、バチバチバチっと青白い稲妻が辺りに弾け飛び、地面にはボコボコと大量の大きなトゲのようなでっぱりが浮き出てきた。
それらのトゲの先端はいくつかルフィを傷付けたようだったが、すぐに飛び退いて避けられてしまう。




「うひょーーー!手品か?!」




「…余裕ぶっていられるのも今のうちよ、食い逃げ麦わら野郎!」




キレて口の悪くなった(シン)がそう言ってもう一度手を合わせようとした時、いつの間にやらルフィがぐいっと(シン)の右腕を掴んだ。




「!貴様、いつのまにっ」




「よし、行くぞ!」




「はっ…?っ待ちなさい…!」




そう言って全速力で走り出したルフィは、もう誰にもとめられなかった。




「ルフィ〜!まままま待て、それはやばいだろー!!」




悲しきかな、ウソップの悲痛な叫びが夕暮れの大通りに響き渡っただけだった。





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