サン
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無事全員船へと戻ってきた麦わらクルーだったが、1人だけ見慣れないメンバーが混じっていた。
普通の少女のようであるが、彼女のその右腕はルフィの左手によって強く握られていて、どうやら抜け出すことは不可能のようだった。
困惑の色を隠すことなく露わにしている少女と、にっぱにっぱと終始笑顔のルフィとが並んでいると、どうも嫌な予感しかしないと、当人2人を除くその場にいる全員が思っていた。
「おいルフィ、やっぱりまずいだろこんなの、誘拐に似たようなもんじゃねえか。」
「何言ってんだウソップ、こいつはもうこの船に乗るんだから、誘拐なんかじゃねえ!」
「私?私がこの船に乗るんですか?」
「そうだ。」
「勝手に決めないで下さい、この麦わら野郎」
「麦わら野郎じゃねえ!俺はモンキーDルフィ、海賊王になる男だ!」
「聞いてないし、興味もない。」
クルー達にしてみれば聞き飽きたような会話だった。
ルフィは、船に乗せると一度思ってしまえば中々意見を変えない頑固者であったから。
面倒臭いことになってるな、とナミは大きなため息をつき、手に持つカップに残っていたコーヒーをグビッと飲み込んだ。
ゾロは興味なさげに欠伸などかましている。
サンジは少女にメロメロになっていて話にならないし、チョッパーは誰だこいつと警戒の色を隠せないようだった。
しかし唯一、ロビンは少し驚いたような顔をしていた。
「さっきぶりね、私と別れた後に何があったのかしら、本屋さん。」
「あれ、ロビンさん?どうしてあなたが…
もしかしてグル?」
「いいえ、あなたが船長さんと親しかったなんて知らなかったわ。」
「訂正しておきますが、彼とは顔を合わせて数時間しか経っていません。」
ロビンと少女が話している間にも、ルフィはチョッパーに
こいつ仲間にすることにしたんだ、仲良くやれよー
なんて笑って言っているものだから、少女はルフィの頭にチョップを叩き込んでいた。
チョッパーはそれを見て、ひぃ、とまたウソップの後ろに隠れてしまう。
「おいおまえ!名前なんていうんだ?」
「お教えしたくありませんね、このまま忘れて頂いても構いません。」
「仲間を忘れるわけねーだろ!なにいってんだおまえ!」
「ルフィ、アンタ一回黙っててくれる?
あたしがこの子と話をするから。」
「えー、でもナミ、おれは」
「だ ま っ て て。」
「ふぁい。」
ナミに両頬
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