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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝 漆黒の修羅 後編(1)
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き国連軍の部隊が突入したところ。』


 飛び込んできた通信に答える。
 このトンネル封鎖作業はいくつかの段階に分かれている。まずは軌道爆撃によるトンネル反対側のBETA殲滅、その後支援砲撃を継続しての間引き作戦。
 それと斯衛軍の部隊が突入してのトンネルの入り口周辺を確保。入り口に指向性を設定できるS-11を用いトンネル内で爆風を走らせ、ある程度のBETAを間引く。
 そこへ軌道降下部隊オービットダイバーズが到着しトンネル内に突入、内部BETAを掃討しつつ機械化歩兵の安全を確保する。
 その後、トンネル内の状況に応じ充填封鎖かS-11による崩落かが選定される。


「…………」
『そんな顔しないで、大丈夫だよ。』


 己の表情の奥を読み取ったゆいが子供を安心させるような笑顔で言う。
 ダイバーズが突入し、彼らが失敗、もしくは壊滅的な被害を受ければ彼女たちが突入しなくてはならない。
 ……瑞鶴では事実上ハイヴ内戦闘であるトンネル内での密集格闘戦には対応できない。

 死に行くようなものだ。それを考えるとどうしようもない我が身の矮小さが憎らしくて堪らない。


「……無理な相談だ。己は他人を信用しても信頼はしない事にしている。―――いざという時、誰かのせいにするなど気色悪い。」
『……お父さんにその口の悪さだけでも矯正しておくように言っておくべきだったよ。』

「後の祭りだ。まぁ、先は長いんだ……お前がやればいいだろ。」
『まったく、もうほんと素直じゃないこのへそ曲がり!

「性分だからな、苔の一念。舐めてもらっては困る。」
『それってこういう時に使う言葉じゃないよ……』


 ガックシ、と肩を落とすゆいを目に喉を鳴らして笑う。
 このぐらい微妙に脱力しているぐらいが戦場では死ににくいだろう。必要以上に死を意識していれば返って死に飲まれてしまう。
 戦と言うものは必至と心得て、冷めた見方をしていたほうが存外に生き残るものだ、

 だが戦場で平常心を保つのは並大抵ではない。武道の極致たる明鏡止水の境地にでも至らなければならない。


「―――もう少し刈る、勝手に死んだら一生許さんぞ。」
『うん、分かってる。』


 新たな敵反応、それを瑞鶴のレーダーが捉えた。黒鉄の巨人が跳躍ユニットを噴射させ跳ぶ。
 そして人工の眼光が新たな要撃級と戦車級を補足する。

 突撃砲による120mmキャニスター弾を時限信管に設定、二連射すると同時に要撃級に向け36mmチェーンマシンガンを放つ。

 起爆時間の調節により一発目と二発目のキャニスター弾が同時に空中で炸裂し榴弾の雨を降らす。
 榴弾のシャワーに打たれながら要撃級に36mm劣化ウラン弾の射線が突き刺さった。


「ぉおお
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