Side Story
無限不調和なカンタータ 8
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アリア信仰も一枚岩ではない。二人の野望は多くの敵を作るだろう。主に上層部で。
早々と目を付けられたら、待っているのは草の根潰しだ。頼むから無茶はしないでくれと何度叫びそうになったか。
浅く息を吐いたアオイデーは、賢さと無邪気さを兼ね備えた心優しい二人の気を静めるつもりで、小さな波を放つ。
すると、「彼」が気付いて顔を上げた。
「また、この音……」
「どうしたの?」
「……いいえ、なんでも」
カールと違って力に自覚がある「彼」は、波に対して非常に敏感らしい。
が、金色の目は一度も小鳥の姿を捉えない。何処からともなく聴こえる音に首を傾げるばかりだ。
それで良い。
膝を抱えて眠る悪魔と交わした契約は「彼」の存在によって既に果たされているが、引き続き見守っていても、彼女なら許してくれるだろう。
アオイデーは歌う。
どれほどの時間を過ごしても二度と重なり合わない美しい調べを思いながら、やがて最愛の親友に連なる者と言葉を交わすその日まで。
紡がれてきた多くの想いを、歌い続ける。
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