第16話 熱血ボルテージ100%!これが怒りの熱血モードだ!!
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に二人はささっと起き上がり何食わぬ顔で語り始め出した。
「へぇ、あっしらはこの宇宙でほそぼそと商いをしておるしがない運送屋なんですがねぇ、以前仕事の為に立ち寄った星で、それはそれは極悪な宇宙人がいたんですよ」
「極悪な宇宙人?」
その返しを待ってましたとばかりに片割れの異星人がポンと手を叩いてこれまた弁舌に話を進めだした。本当に舌の回る異星人である。
「そう、その名も『ダイバンチョウ』って言いましてねぇ、此処からすぐそこの地球って星で散々好き勝手な悪さをしてるんですよ。弱い奴らからカツアゲするのはほんの序の口。他星から来た弱小異星人達を見つけてはそれはそれは言うだけでも身の毛のよだつ酷い仕打ちをする極悪な奴なんです」
「何だと! そんな卑劣な輩がいたと言うのか!」
話を聞き、ケンゴウ星人の胸の内にワナワナと湧き上がる怒りの感情。彼は誠実な宇宙人であった。ただ己の腕を磨きあげる事だけを心情とし、常に正々堂々とした戦いを好む武人であった。だからこそ、この宇宙人達の話す極悪非道な宇宙人を許せなかったのだ。
「あっしらも何とかしたかったんですがねぇ。何せあっしらはしがない商い。てんで話にもなりゃぁしません。これがもう悔しくて悔しくて―――」
「もう良い。話は分かった。お前たちの無念……この私の胸に深く届いたぞ」
自身の胸を叩き、異星人達を見下ろすケンゴウ星人。彼の覚悟は決まった。非道な輩に涙する弱き者を救う為、今此処でケンゴウ星人は一人の鬼になる。その覚悟を胸に決めたのだ。
「そ、それじゃ……やってくれるんですか?」
「任せろ! その悪辣非道なダイバンチョウとやら、我が刀の錆にしてやる! 吉報を待っているが良い」
言い残し、ケンゴウ星人は一路地球へと向かって行った。脇目も振らず、一心不乱になり地球へと向かうケンゴウ星人。
だが、そんな彼の後ろで、物腰の低い異星人達が不気味な笑みを浮かべていた事など、知る由もなかった。
***
時刻は昼過ぎ、番長高校に置いて生徒達にとって唯一の安らぎの時間であった。
昼休み、それは育ち盛りな生徒達が己の食欲を存分に満たす憩の時間でもある。ある者は教室で、ある者は食堂で、ある者は廊下などでそれぞれ一人で食べる者も居れば仲の良い者達とつるんで食べる者も居た。
無論、それは番にとっても同じ事と言えた。ただし、彼の場合は少し違っているのだが。
「お待たせ、長瀬美智ちゃんの今日のお弁当で〜っす!」
「うほっ! これまた美味そうな飯じゃねぇか!」
屋上のど真ん中にて、番と美智は昼食にありついていた。が、知っての通り貧乏街道まっしぐらな番にとって弁当を作る余裕もなければ学食でアンパンを買うお金すらない。
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