一章
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「そんなことわかんないよ……ぼく、子供なんですけど」
……ほお?
「ごめん。仕組みとか摂理とかは難しいからほんとにわかんないけど、使うものはわかる。メンスだよ」
「……聞いたことねぇ言葉だな」
「魔法を知らないならメンスもアニムスも知らないのかー。へーーーーーーーー」
「さて。どこに売るかな、これ」
「ごめんなさい。余計なこと言いました。まぁどっちも誰にでもあるものだよ。分かりやすくいうなら……メンスが精神でアニムスが魂かな。ぼくは雷を出せるけど、先生はもっと炎とか水とかも出せてたよ」
メンス。精神力……。
そんなもので自然現象を操るとか考えてもなかった。ティナなら不可能も可能になるが、誰にでもあるもので力を発生させることができる
……だめだな。この力を広めるわけにはいかねぇ
こぞって軍が動き出す
唯一それを知るのはこのガキ
「……やっぱ消すべきか」
俺の声は騒がしい店内の笑い声でかきけされた
「えっと、そういえば何て名前なんだっけ?」
「呼ばれる名前がない」
「ふーん。じゃ、そこの人ってティナもちなんでしょ?ならメンスはわかると思うんだけど……メンスはティナを使うときに減るんだよ、たしか。えっと……能力型がメンスで、強化型がアニムス、変形型がどっちもだったっけ。メンスもアニムスも亡くなれば死んでしまう。メンスが考えたり、悲しくなったりとかする目に現れない力で、アニムスが体を動かす力だから、メンスがなかなると体の制御ができないし、アニムスがなくなると心臓も動かなくなる。どっちも大切なんだよ」
「少なくなれば……空に近づくとどうなる」
「んー。体が重くなったり、頭回らなくなったりはするけど、わかんないや。ぼくはそうなったら止めるように言われてたからさ」
俺は変形型のティナ持ちだから、どちらも消費する。なるほど、空に近づくとああなるのか
「そこで!ぼくはこの力を駆使し、この世界を救うのだ!」
急に立ち上がったクソガキは、ほんとガキみたいに拳を握りしめ、声高々に続けた
「雫神の一族として、この世界の間違いをきれいさっぱり正すんだ!ねぇ!おにーさんもほんとはいい人なんでしょ?ぼくを手伝ってよ!」
あーあ
ばか ばか ばか
そんないきなり立ち上がって?雫神とかぬかして?俺に手をさしだして?
バカが
「きゃあああああああああああああ!!」
「ゼ、ゼ、ゼ、ゼロだぁぁぁあ!」
「逃げろ!殺されるーーーー!!!」
笑い声で騒がしかった店内は悲鳴と泣き声で包まれ、30秒もせず、俺とガキの二人だけが店内に取り残された。ガキは目を見開いて周りを見渡し、鎮まっ
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