第9話 ゼクト vs エルザ
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入ったからには……入ったと同時に家族のようなものだから。突然戦いになってしまうのは、……正直物騒な気もするけど、もう、ゼクトにとっては、どうでもよかった。
「っ……うんっ! ありがとう! エルザっ」
だからこそ、笑顔で 心からの笑顔で、もう 何度目になるか判らない。今まで生きてきて、他人にお礼を言った事なんて 全くない。記憶にない、っていうのに今日だけで もう何度言ったことだろうか。
ゼクトの、その笑顔は まるで光のようだった。少なくとも、正面から見たエルザには光に見えた。
「っっ! あ……ああ!」
少し見惚れてしまったのかもしれない。だから、エルザは 少し歯切れが悪かった。
《光》と形容出来る人に、同年代で出会う事など思ってもいなかったから。
だから、よく心配をするゼクトに、あらぬ誤解をされてしまうかもしれない、とエルザは 一瞬思ったが。どうやら、その心配はなさそうだった。
光だから直視……する事が難しかったが、確かにエルザは彼の顔を見た。
心配をしている様な顔ではない。光のまま。……ずっと、笑顔だった。
そして、最早バトル審判? となったギルダーツが2人の間に入ると。
「よぉ〜〜し。さて……いくぜ? はじめぃ!!」
ギルダーツのその一言で、手合わせ、ゼクト vs エルザが始まった。
「……よし、ゼクトの魔法は見せてもらったからな。今度は、私の魔法を見せてやろう! ……換装!」
エルザは、突如、光に包まれた。
様々な色の光がエルザの身体に纏わり、形を成していく。
「わっ……わわっ……!」
ゼクトは、突然 光り輝いたエルザを見て驚いていた。軈てエルザの姿がはっきりと見えた。先程まで、纏っていなかった鎧、そして 槍を持って。
「雷帝の鎧!」
金色に輝く鎧、それを見てゼクトは 更に興奮する。
「わぁ………凄いね……っ!」
「ふふふ……これは、別空間にストックしてる鎧だ。自慢のコレクションの1つ、だな!」
驚いているゼクトを見て、見せがいがあると言うものなのだろう。エルザは、喜んでそう言っていた。
「うん……、光に包まれてさ。なんだか、エルザ、とっても綺麗だったよっ!」
ゼクトは、ありのままの気持ちをそのまま、エルザに伝える。すると、この返答は予想外だったのだろうか、槍を構えていたエルザは、思わず落としてしまっていた。
「っ!! なっ、なななっ……!!!」
明らかに動揺をしてしまうエルザ。そして、それを見ていた観客達は、更に沸いた。
「はははは!!」
「ほんっと、ゼクトって、天然だなっ?」
「なんだか、微笑ましいぜ〜。まだ
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