第9話 ゼクト vs エルザ
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は続けて訊く。
「ほらっ、ゼクト……今日入ったばかりなのに、このギルドの事、フェアリーテイルの事が、好きっていってくれてる。大好き、って。……それに、ギルダーツは言ってたよな? ゼクトは、人付き合いが苦手って。……でも、そんなレベルじゃないって思う。さっきのだって、私の方が明らかに悪いのに、ああいう風に考えて、言うのって……。前によっぽど酷い事があったのかな…って」
ミラは、純粋に彼を心配しているようだった。
同じ歳で…何かを抱えているのか…。ものすごく大きな闇を……。そう感じたのだ。
それに、友達になった時。ゼクトは凄く笑顔だった。勝負の時とは比べ物にならない程に。憑き物がが落ちたかの様に。
「……やさしいんだな? ミラは。流石お姉ちゃんだ」
ギルダーツがそう言って、頭を撫でた。そして、その後に チラッと見たのは エルザとゼクトの戦いを観戦している2人の子供。ミラの妹と弟のリサーナとエルフマンだ。姉だからこそ、面倒を見なければいけない2人がいるからこそ、優しくなれるのだろう。
「もうっ! そんなのはいいから教えてよっ」
ミラはちょっと照れながらそう言う。だけど、明確な答えは帰ってこなかった。
「わりーな。オレもアイツの考えはわかっても、今までの事は、以前までの事は 全く知らねえんだ。そもそも、オレだって会って、たった1日。昨日なんだぜ?」
「……そう」
ミラは、少し残念な表情をした。もっと、ゼクトの事を知りたい、と思っていたから。直接訊くのが難しかったからこそ、ギルダーツに訊いたのだ。
「ミラ」
ギルダーツは、ミラの頭を軽く撫でるとゆっくりとした口調で言う。
「……1つ、判る事。アイツから訊いたのは、過去の記憶がねぇ、って事だ」
その言葉に戸惑いを隠せれないのはミラだ。
「え…?」
いきなりの事だったから、どう反応していいのか判らず、ただただ、驚きの表情でギルダーツを見ていた。
「……だけど、あんまし騒ぐなよ? アイツは今、前を向いて歩き出してんだからよ。だから……」
ギルダーツは、頭から手をのけると、ミラの目を見ていった。
「お前が、……お前らが アイツの《何か》になってやれ。『昔の事なんてどうでもいい。今現在の方が大切だ』って言わせるくらい……にな? これだけ、好きだって面向かって言われてるんだ。答えてやろうぜ」
「う……うん!」
ミラは元気良く……笑顔で返事をした。
記憶がない。
その事に衝撃を受けていた。何故なら、記憶が無い、と言う事は、今までの自分の記憶がない。仲間や家族、その記憶が無いのだ。
だから、ずっと一人ぼっちだった。そう言う感じ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ