暁 〜小説投稿サイト〜
竜から妖精へ………
第9話 ゼクト vs エルザ
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
壁も収まる。
 そう、考え 無我夢中で攻撃を繰り出し続けたのだが、先に限界が来のはエルザだった。

「わ…私の剣が!!」

 50の剣の攻撃を、もう何度繰り返した事だろうか。
 一度に出せるMAXを何度も繰り返したのだから、魔力の消耗もこれまでとは比べ物にならない。だからこそ、エルザの集中力は散漫してしまう。消耗した為、立ち眩みもしてしまう。

『隙有り、だよっ!!』

 その隙を、突かれてしまった。ゼクトは ずっと、あの風、竜巻の目にいると思っていた。その先入観にとらわれすぎてしまっていた様だ。

「しまっ……!!」

 エルザが、攻撃に気づいたときには既に遅かった。
 確かに、ゼクトは あの竜巻の中にいる、と思っていた。だけど、移動をするのであれば、あの竜巻からでなければならないだろう。……本当に、いつの間に移動したのかが判らない。

 ただ、判るのはもう既に接近されていた。自分の背後にいたのだ。

 そして、ゼクトは 拳に先程の竜巻があった。規模はまるで変わってない。あの広範囲の竜巻を凝縮させ、一点に纏っている様だ。当たれば、どこまで吹き飛ばされてしまうのか判らない。

 そして、エルザは動けず ゼクトの拳だけが確実に迫ってきた。
 
 だが、その拳が、エルザに届くであろう瞬間、ゼクトは止めたのだ。

『……殴ったり、なんてやっぱり出来ないよ。ゴメンね。『本気でやれ!』って言われたけど……やっぱり……』

 ゼクトはそう苦笑いしながら言う。

 ミラのとき同様……やっぱり女の子には……その上フェアリーテイルであり……仲間である者には 厳しいのだろう。ナツに関しては まだ 男の子だったから、大丈夫だった様だけど。……男女差別?


「くっ……う………。」

 エルザは、納得は出来ていない。手を抜かれてしまった事実もそうだが、それよりも確実に負けてしまっていると言う事実。もう消耗してしまった魔力。これ以上何も出来ないと言う事実。

 それらが、エルザを降参させた。

「わたしの……負けだ」

 そう言うと、エルザは魔法を解除。最初に纏っていた普通の鎧に戻っていった。



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ