暁 〜小説投稿サイト〜
竜から妖精へ………
第9話 ゼクト vs エルザ
[12/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
手だった。
 だから、ゼクトにとって、こんな機会は全く無かった。ミラの時もそうだった。正直、もっと見ていたかったけど、フェアリーテイルにいる人。それも、女の子。だから、戦う事に どうしても 抵抗があったからだから、早く終わらせたいと言う気持ちもあった。

「…………むぅ」

 相手が、ゼクトじゃなければ、エルザは 『なめるなっ!』と、きっと言うだろう。
 本当に初めてだって事は判る。……ゼクトの事を考えると。だけど、これは勝負だから。

「なら! こっちからいくぞっ! 舞い飛べ! 剣たち!!」

 エルザは、気合を入れ直し、魔力を込める。ありったけの魔力を剣に込める。その数、実に50以上。まるで生きているかの様に、空を舞い、四方八方から飛んで来た。

『……』
「ッ……!」

 ゼクトは、剣の1つ1つの軌道……それらを見た。
 その集中力は、他者にも伝わる程だった。相対しているエルザは勿論、この戦いを離れて見ている者達にまで。

「この剣たちは私の魔力…私の意志で自由自在に軌道をかえられる!避け切れるか!」

 ゼクトの行動をみて、エルザはそう叫ぶ。

 この状況でどうするのか? 先程の自分の攻撃より速度は劣るものの、剣の弾幕を考えれば、逃げ場は無い。だから、さっき消えて見せた事の真相が判る。
 エルザは、それも考えていた。

 ゼクトは、集中させて見ていたのだが 次の瞬間には 再び両の手を合わせていた。

『エレメント・ドライブ』

 それと同時に、足元が光り出した。まるで エルザの換装の時の様に。緑色の光が足元から、そして 周囲を包み込む。

「なっ…なんだ? この魔力は!」

 ゼクトに集中していたエルザだったが、この時意識を乱した。

 何故なら、ゼクトの魔力の()が変わったから。

 先程の戦いの時の様に。……ナツの時、そして、ミラの時同様に。


「くっ……! 行けッ! 剣たち!!」

 滞空させていた残りの剣も全て、撃ち放つエルザ。
 様々な剣が、一斉にゼクトへ向かう。

『…………はっ!!』

 ゼクトは、手を翳し、そして 翻したかと思えば、突然 周囲から光る竜巻の様なものが、現れた。
 強烈な竜巻は、ゼクトまでの進路を完全に阻み、無数の剣は、ゼクトに当たることがまるで無くなった。風が全ての攻撃を遮っているのだ。

 エルザは、それを見て次々と剣を撃ち放つが、全て遮断される。

 一度に出せる数は50。弾かれ、下に落ちた剣を消しては、新たに換装した剣で攻撃するものの、何度やっても同じだった。

 エルザが攻撃して、ゼクトが弾く。

 それは、消耗戦だった。

 ゼクトの風も無限じゃない。いつかは弱まる。魔力が尽きれば風の障
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ