第9話 ゼクト vs エルザ
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、もう疑う余地などない。本当に良い男の子なのだと感じた。入ったばかりだと言うのに、ギルドを、本当の家族の様に 想っているのだ。
同年代であんな考えを持った者になど会った事は皆無だ。とても強くて……そして、とても優しい……。
最初こそ、複雑だったミラも、ゼクトの想いに触れて、心の靄が晴れたのだろう。最後は笑顔で握手をしていた。仲が良い事は何よりだと、エルザは声をかけつつ、もう一歩近づき。
「次は私だなっ!」
声をかけた。
エルザは、驚いていたが、しだいにそれは薄れていた。
もう、『自分がどこまで通用するのか?』それしか考えられなくなり、わくわく感に満ちているようだった。
早る気持ちを抑えきれずに、エルザは、ミラと握手をしてるゼクトの方へと向かったのだった。
それは、エルザが近づいてくる数秒前の事。
ゼクトは、初めの顔が嘘のように笑顔だった。
「ありがとうっ! ミラ」
ミラが、握手に応じてくれた事が嬉しくて、暗かった顔が一気に晴れた……太陽が昇ったかの様に、花開くかの様に、笑顔だったんだ。
「いや……っ、別になんでもない……よ? アンタの…ゼクトの本音聞けてよかったし……。それに、私も 負けた癖に、色々と、悪かったし……」
ミラは、ギルダーツには言われたけど、負けた後の事少し気にしているようだった。でも、ゼクトはそんな事は本当に気にしていない。寧ろ自分の方が悪かった、とまで思っていたのだから。
「あ……はは。なんとも思ってないよ。オレだって、同じだから……。だって……」
ゼクトも、また同じような事を言おうとした時。
「ははは……、お前らいつまでやってんだって。いい加減終わりでいいじゃねえか。何度も同じ様なことリピートしやがってよ」
最終的には、まとめ役として すっかり定着したギルダーツが割って入ってきた。
その顔は、完全に呆れている。もう、この手のやり取りは、何回目だ? と思ったからだ。
「(全く……ガキらしくない不器用な奴らだな)」
呆れながらも、ギルダーツは苦笑いをしていた。
「ッ……そうだよね」
ミラは、ギルダーツの言葉を改めて頭に入れると。両頬をぱちんっと叩く。
「(ずっと、メソメソしてる何て、私らしくない…よねっ?)うん! ゼクトっ! これからもよろしく!」
ミラは、もう謝ることを止めて。吹っ切れるように笑顔でそう言う。
「うんっ。こちらこそ! ミラっ」
ゼクトはミラと同じ気持ちになったのだろう。同じように笑顔で答えた。
そして……その直後に、エルザがやってきたのだ。
「ふむ。仲良く
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