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竜から妖精へ………
第9話 ゼクト vs エルザ
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 1つの戦いに幕が下りた。
 それを見ていたエルザは、思っていた。

――……今日は驚きの連続だ、と。

 驚きの連続。
 その始まりは ギルダーツが帰ってきた事からだった。改めて考えてみたら、ギルダーツが帰ってくる少し前に起こった突然の地震ももしかしたら、関係があるのかもしれない、と思う。このマグノリア周辺での地震は稀なのだから。
 そして、震源地が遠かったから、少しだけしか感じられなかったが、あの地震は、自然のものじゃなく、魔力も感じた。

 地震が起きた当初、マスターもいたし、さほど深刻な顔もしてなかったから、それほど深くは受け止めなかった。

 そして……、変わった事があった。再びギルダーツが帰ってきた時、連れ帰ってきた少年の事だった。

 エルザは、最初に見た時は、迷子の子供を連れ帰ったのか? と思った。ギルドで預かるのだろう、程度にしか考えてなかった。何故なら、ギルダーツは、凄く優しい。分け隔てなく接し、ギルドの子供達にとっては、父親も同然だった。マスターもそうだが、ギルダーツもそうだ。
 暴れん坊のナツも実の父親のように思っている。そして、エルザ自身も。

 そんな彼だから、子供を連れ帰った事、それ自体には然程驚きはなかった。

 だけど、少年の、ゼクトの話を聞くと、かなり強いと言う事が判った。

 当然ながらナツは反応する。それこそいつもの通りだ。あれよあれよと言う内に、話がまとまった様で、手合わせをすることになった。


 そして、勝負はすぐについた。

 
 ナツの実力は、日々向上している。それでも ギルドの先輩として、まだまだ、エルザは 負けるつもりが無いが、それでも……、その向上心、そして 成長速度は 目を見張るものがあった。

 恐らくだが、ミラも同じように思ったのだろう。エルザは、ミラよりも先にゼクトと勝負したかったが、ジャンケンで負けてしまって後になった。

 だけど、正直にいうと、()など無い。考えてすらなかった。

 何故なら、エルザは ミラの実力は私はよく知っているからだ。勿論、ミラ本人の前では決して言わないが、その実力は認め、今ではギルドの中で1番のライバルだと思っている。

 だからこそ、少なくとも今日はしないだろう。無いだろうと思っていた。



――……それこそが、間違いだった。完全に見縊っていたのだ。
 


 結果は 予想が大きく外れた。……ゼクトはミラをも一蹴したのだ。
 その事が、その事実がエルザを震えさせた。彼女が、今日一番驚いた事である。


『私のライバルを……一蹴した』


 内心で、そう呟いていた。


 そして、その後 ギルダーツの話を聞いて、ゼクトの想いも聞いて
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