第八章 反転
第13話 本当の声
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その嬉しさか、美九の目からは大粒の涙が溢れ出した。
士道「……といっても、八割以上は上条のおかげなんだけどな」
佐天「え?どういうことですか?」
士道「いくら結界があったからって、あんな凄い攻撃を全部受けられるはずがない。俺が防いだのはその前にあった『壁』から漏れた魔力だけだ」
佐天「『壁』……?」
ふと上条の方を見ると、身体は無傷なのに肩から息をしていた。
視線に気づいたのか、上条はそれに答えるようにゆっくりと口を開いた。
上条「あれは『凶禍楽園』と『幻想殺し』が融合した合わせ技……『楽園殺し』だ」
佐天と士道はイマイチ理解できなかったが、上条が続けて説明する。
上条「『凶禍楽園』は……厳密には違うけど、大まかに言えば幻想を創るものなんだ。その創った幻想を『幻想殺し』で幻想という″概念だけ″をぶち壊す。そうする事で創造したものは現れる。俺はそれでバリアを張った。まあ十香の攻撃が強力すぎて全部は防げなかったけど」
士道「……佐天さん分かったか?」
佐天「いや、全然……」
例えばの話。
何もない部屋にいたとする。
そこに上条が……例えば机を置きたいと考える。
上条は『凶禍楽園』の力で机を創る。
しかし、それは″偽りの世界″の机にすぎない。
その後、上条は″幻想という概念″だけを壊してその机を″本当の世界″に引きづりこむことができる。
これと同じ要領で上条はバリアを張ったのだ。
だが魔力の消費も大きいため一日数回しか使えない。
それに今日は空を飛んだり、模写した『颶風騎士』を使ったりと何かと魔力を消費しているため、かなりギリギリのラインを走ってる。
凜祢『良かった……使っておいて』
上条『そうだな。マジで助かった』
そう。先ほどのアレと言うのは『楽園殺し』のことだったのだ。
上条「それより士道、今なら十香を救える……」
士道「そうだ!………でも、俺があんな高いところにいけないし」
そう、士道は空を飛ぶことが出来ないので十香とキスできない。
と。
「なら、あいつのとこに飛ばせばいいンだな?」
横ーー士道達が入ってきた大きなドアがあったところーーから、聞き覚えのある声が聞こえた。
上条「一方通行!!」
一方「よォ。いい具合にやられてンじゃねェか」
佐天「怪我は大丈夫なんですか?」
一方「俺があの程度の奴に怪我するかよ。面倒くせェからお前早く行け」
言いながら士道の腕を掴む。
士道「ちょっ、待て!
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