第八章 反転
第13話 本当の声
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十香「黙れええええ!!」
ここでようやく自分の右手から『鏖殺剣が離れているのに気がついた。
十香「くっ……」
素早く降下し、剣を拾おうとしたーー
ーーその時。
十香が触れるよりも早く、誰かが先に手に取った。
「これが………『あの子』が創ったモノの一つか……」
と、″その人″は眺めながら呟いた。
それは、先ほどのツンツン頭の少年だった。
だが。
上条?「流石ね……私じゃあこんなの創れなかったなぁ」
口調がまるで違う。
頭の中の少年は力強い声だったのに対して、こちらは迫力の欠片も見当たらない。
まるで別人のようだ。
十香「………お前は誰だ?」
上条?「やぁ初めまして。身体は『上条当麻』なんだけど、今は『神代柑果』が主導権を握ってるよ」
『上条当麻』という名には何故か聞き覚えがあるが、『神代柑果』の方は一切ない。
というか主導権だ?一体何の話を……
神代「あ、そう言えばこれは君のだったね。返すよ」
と言いながら『鏖殺剣』を差し出す。
十香「………」
無言で受け取ると少年は背を向けてどこかへ歩き出した。
それを全て見て、全て聞いていた他の皆は口をポカンと開けていた。
美九「ちょっと、あれ本当にさっきまでの彼なんですかぁ?なんか全然違うっていうか……」
士道「俺も分かんねぇよ。それに誰だよ、『神代柑果』ってよ……」
佐天「……まるで誰かが乗り移ってるみたい……」
士道「そうだな……って、佐天さん!?もう傷は大丈夫なのか!?」
佐天「まぁなんとか」
美九「それは良かったですー」
と、安堵しながらも三人の疑問は拭えなかった。それはここだけに限ったわけではない。
琴里『園神凜祢に神代柑果、それに反転した十香と接触した時のあの現象……一体何がどうなってるの?』
遠くからカメラ越しに見ている琴里も同じ意見だった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
神代「影から見るとかいい趣味してるねぇ」
アレイスター「他人の身体を乗っ取る君よりマシさ」
少し離れた場所で柑果とアレイスターは言葉を交わしていた。
神代「なんだ見離されたのか?いい奥さんだったのにな」
アレイスター「『あの街』を創った時から覚悟は決めていたさ」
神代「そうかい。で?『計画』は順調なのか?」
アレイスター「ほう、そこまで知っていたか」
神代「大幅な狂いが発生したところまではね」
アレイスター「それを修正する『もう一つ』の計画が終わりを迎えそうなのだよ」
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