アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第十八話 すべてを懸けて
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と、シリウスが愛用の槍を持ち目を閉じながら立っている。ソレイユはまだ来ない。しかし、それに憤慨した様子は見られなかった。
それから、待つこと数分後にソレイユはやってきた。見慣れた深みのある漆黒のコート。しかし、腰に差しているものは今までと違った。今までなら長刀一本しか差していなかったはずなのだが、今夜は二本、いつもの長刀と別に黒塗りの鞘に納められた刀がもう一本差されていた。それを訝しげに思うベガだったが、シリウスは特に反応を見せることなくソレイユを見つめていた。
シリウスとの距離が五メートルにたしたところで、ソレイユがメニューウインドウを操作して、決闘をシリウスに申し込む。申し込まれたシリウスはそれを了承、オプションを全損決着モードで決定した。
カウントが六十から始まった。
激しく荒々しいシリウスの闘気が高められていく。
静謐で荘厳なソレイユの闘気が高められていく。
カウントが五を超えたところでシリウスから名乗りだし、ソレイユもそれに応じる。この世界での名ではなく、現実に与えられた名を。
「八雲霧雨流槍術 霧雨烈。今持てるすべてをもってお相手しよう」
―――――― 5 ――――――
「陰陽月影流二刀剣術 月影桜火。我が誇りをもって、これを感謝とする」
―――――― 4 ――――――
最高潮に高められた闘気が飛び交い、ぶつかり合って世界を恐慌とさせる。
何人たりとも近づくことが許されない空間がそこにはあった。その世界に入ることが許されるのは二人のみ。
―――――― 3 ――――――
シリウスが槍を構え、ソレイユは長刀のみを構える。
視線が交差し、火花が散る。
そして―――
―――――― 2 ――――――
今まで費やしてきたものをこの一瞬に込めて―――
―――――― 1 ――――――
「「お前の命(すべて)を――――――」」
シリウスの生涯で、間違いなく最高の剣士が叫ぶ。
ソレイユの生涯で、間違いなく最高の槍士が叫ぶ。
―――――― 【DUEL】 ――――――
「「―――――俺にくれ!!」」
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