任務-ミッション-part1/囚われた者たち
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の服は?」
ハルナの服装が、学校の制服ではなく、黄色い生地のドレスとなっていた。
「このドレス?ルイズさんが貸してくれたの。いつも制服のままじゃちょっと気になっちゃうから。で…どう、かな?変じゃない?」
少々照れくさげに尋ねてくるハルナ。おそらくルイズの私服の一着だと思われるが、王室とは縁戚関係でもあるヴァリエール侯爵家の令嬢であるルイズから借りただけあってなかなか高価そうなドレスだった。サイトから見て、ハルナは容姿に関してもルイズにも引けはとらないし、胸がシエスタにも匹敵するほどであったりなど、十分過ぎる魅力を持つ。こうしてドレスを着こんだ姿を見ると、彼女もまた貴族の令嬢に見えてきた。
「すごく…似合ってるよ」
「ほ、本当…?」
少しドキドキしながらもサイトがそう答え、嬉しさがこみ上げるあまりハルナの頬がさらに赤くなる。こうしてサイトがルイズだけでなく…いや、少なくとも今はルイズを含め他の誰よりも自分を見てくれている。その機会があるということを知り、仮病などやはり必要なかったのだと彼女は悟った。
「よかった…平賀君から変な風に思われなくて。やっぱり着る服って重要だよね。違う服を着ると、なんだか楽しい気分になってくるし」
ルイズが貸してくれたドレスを見ながら、ハルナは楽しそうに笑っていた。それを見てサイトも笑いかけたが、あのドレスが元はルイズのものだということに関して、ふと疑問に思ったことがあった。
「あのさ、ハルナ。こういっちゃなんだけど…ルイズの服ってちょっと小さくなかったのか?」
「ぎく…」
瞬間、ハルナの様子がおかしくなった。まるで人間の姿に化けていたがその正体を突き止められた異星人のような、なんだか答えにくそうな様子だが、気づくことなくサイトは続ける。
「ほら、ルイズって小柄だろ?ハルナの体のサイズに合うのかなって気になってさ」
「え、えっと…実は、ちょっとキツイかなぁって思ってたの」
若干しどろもどろになるが、ハルナは苦し紛れに適当に答えて見せた。
「あ、やっぱり…やっぱルイズだからなぁ…」
やっぱりハルナにはルイズの服は少々きつめらしく、サイトは予想通りの結果を聞いて軽く笑う。
「もぅ、平賀君のエッチ。そんなこと言ってると…ルイズさんじゃないけど、お仕置きしちゃうぞ?」
考えてみると、女性の体のことに触れた話だからちょっといかがわしい話。ハルナは少しにらみを利かせた目でサイトに言った。
「うは、それは勘弁…」
ルイズ一人でも過剰なのに、ハルナまで加わったら大変だ、サイトはこの話に関しては今後口を噤むことにした。
「そういえば平賀君」
「うん」
ふと、ハルナがサイトとは違う方向へ視線を泳がせた。その先に映ったのは、サイトの傍らに置かれていたホーク3号の船体だった。
「これって…やっぱり本物なの?」
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