会談-ブリーフィング-
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ケムール人襲撃から2、3日たった頃。
仮病のことを明かされたものの、サイトからの嘆願もあり、ハルナに対する咎めはなし。ハルナはルイズたちとの蟠りと完全といえる形で解くことができた。これでサイトはハルナから少しはこちら側に傾いてくれると考えていたのだが…。
「平賀君、平賀君。この棚の使い方なんだけど」
「ん?どれどれ…」
結局サイトはハルナにかまってばかりだった。今、ルイズの部屋で、せめてもの詫びということでハルナはサイトが日々行っているルイズの世話の手伝いをしていた。
「サイトの奴、仮病なしでも結局ハルナに構ってばかりじゃない!犬よ犬!誰にでも尻尾を振る犬に違いないわ!」
無論ルイズにとってこれは不満でしかなく、この結果と当初の目的から考えると先日のシエスタとの作戦は最初から無意味だったことになる。
(私も病気になろうかな…)
シエスタは密かに、ハルナと同じようにいっそ病気になってサイトに構ってもらおうかとも考えていた。
すると、ルイズの部屋をノックする音が聞こえてきた。
「あ、はい!」
サイトが扉を開ける。訪ねてきた人物は、コルベールだった。
「おぉ、サイト君にミス・ヴァリエール。やはりここにいましたか」
「ミスタ・コルベール?何かご用でしょうか?」
「学院長からのお呼び出しです。すぐに学院長室へ着いて来てもらえますか?」
コルベールに引き連れられ、二人は学院長室に向かった。いつも通りオスマンは学院長用のデスクに着席し、来訪者たちを待っていた。傍らには、すでに到着していたアンリエッタとアニエスの二人がいる。彼女たちはサイトたちへの予告通り、魔法学院に来訪した。今回は以前のゲルマニアからの帰還ついでの来訪と違ってごく少数の、お忍び同然の来訪だった。とはいえ、まだ魔法学院には生徒たちの大半が戻ってきていない。忍ぶ必要がないほどだ。アニエスたち銃士隊を引き連れ、アンリエッタは学院長室に到着していた。
「オールド・オスマン。ルイズたちを巻き込むこととなって申し訳ありません。ですが…」
「いえ、我々は女王陛下の僕にございます。力を貸すように命じられるというのならお力となりましょう。ただ、一つだけこの老骨のわがままをお許しとなるならば…」
「なんでしょう?」
「この若者たちを、どうか大切にしてくだされ。それだけがわしからの願いですじゃ」
「もちろんです。彼らは私の大切な友人にして、恩人ですから」
アンリエッタが躊躇うことなくノックする音が聞こえ、コルベールの声が扉越しに聞こえてくる。
「コルベールです。学院長、入出してもよろしいでしょうか」
「おぉ、入ってきておくれ」
オスマンから入出の許可をもらい、コルベールはサイトとルイズの二人を連れて入出した。
「ごくろうじゃったミスタ・コルベール。そしてよく来てくれたサ
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