会談-ブリーフィング-
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
拒んでは…明日という日が来ることさえも許されない。そうなれば、戦争の愚かさを知り、学ぶ機会さえも永久に失われてしまうのではないでしょうか」
「う…」
「代わりにこのアンリエッタ、誓いましょう。未来を担う者たちと共に、私も命を懸けましょう」
「…………」
強い決意。ことによっては自らの命さえも危険へと投げ打つ覚悟を彼女は示した。女王自らが強い覚悟を示され、コルベールも何も言えなくなる。
「ともかく、今は銃士隊とあなたたち二人の共同任務として、ケムール人の手によって誘拐された方たちの救出を行うしかありません。
ルイズ、サイトさん、アニエス。あなたたちが頼りです。任務を全うすることもそうですが、何より無事に生きて帰ること。これを約束してください」
「わかりました!陛下から承った任務、必ず果たして見せます!」
忠誠すべき女王にして、幼き日からの友であった姫からの頼みをルイズが断れるはずもない。ルイズは二つ返事で、アンリエッタに必ず成功させてみせると誓った。
すると、横からサイトが大丈夫なのか?と怪訝な表情でルイズを見ながら口を開いてきた。
「ルイズ、あんま無茶すんなよ。お前なんかどうあってもそうしちまいそうな気がしてならないから」
フーケ事件のこともあるし、ワルドの裏切りが発覚し直後に飛ばされたウエストウッド村でアルビオン王がレコンキスタの手で崩御されたと聞いたときは頭に血を登らせて殴り込みに行こうとしたほど。ルイズは冗談をいうタイプじゃないのでいずれもマジなのだからタチが悪い。
「な、何よ!その言い方だと私が言って聞かせても聞かないみたいじゃない!しかも陛下の前でなんてこというのよ!」
アンリエッタの前で自分が学習しない人間みたいに言われ、ルイズはサイトに怒鳴り返す。
「こ、これこれ。女王陛下の前であまり声を荒げては…」
「いえ…大丈夫です」
オスマンが女王の前で喧嘩を始めようとする二人をいさめようとする。コルベールも何か言おうとしたが、その女王であるアンリエッタ自身が気にしなくていいと告げた。
彼女の読みが当たったのか、次のサイトのセリフでルイズの暴走は収まった。
「だってさ、やっぱ心配になるだろ」
「え…心配?あんたが、私を?」
自分を心配する、という言葉に、ルイズは引っかかった。
「当たり前だろ?俺はお前の使い魔やってんだし」
「ふ、ふーん…あんたなりにご主人様をしっかり見てるわけね。一応褒めてあげるわ」
「へいへい。そいつは光栄でありますっと」
サイトが自分を心配していると聞き、言っている言葉は多少ツンケンしていたものの、少し顔が朱色に染まり表情が柔らかくなっている。さりげないサイトの気遣いが、本人の知らないうちにルイズの好感度を上げたようだ。
「よく二人が収まると読みましたな」
「女の勘、というものです
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ