会談-ブリーフィング-
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になるし、そこで待たせてあげるくらいはしてあげられないか?」
「私は確かに戦うことなんてできません。戦場に出ることだってできない。でも…二人の邪魔だけはしませんから、軽いお手伝いくらいまでで、それ以上は望みませんから…ルイズさん、お願い!」
必死に頭を下げるサイトと、そんな彼のためにとハルナも頭を下げて、自分も同行させてほしいと申し出る。
ハルナを気遣うサイトを見て、ルイズは少し胸が痛むのを感じた。
(サイト、やっぱり故郷に帰りたいのかしら…)
どうしてもサイトが他の女子を大切に扱う姿を見ていると、無性にムカつく。が、時に今のように、奇妙な切なさのせいで怒る気さえ申せることがある。
(…何をやってるのよ私。考えてみれば当たり前じゃない。ハルナがこうしてサイトを求めるのは)
「…わかったわ」
先日の事件でハルナとの関係に一区切りを付けたおかげもあってか、ルイズは許可を出すことにした。
「でも、わかってると思うけど戦いには出向かないで、私たちの帰りを待ってなさい。約束よ?」
「はい!ありがとうルイズさん!」
「ルイズ、ありがとう!恩に着るよ!」
「お、恩に着るって…別にあんたのためじゃないんだから!貴族は平民を守ることも使命の内なんだから…ほ、ほんとそれだけなんだからね!」
ハルナ以上に、太陽のような笑みを見せ自分に感謝してきたサイトに、ルイズは思わず顔を赤らめた。
「あの、ミス・ヴァリエール…」
しかし、もう一人忘れていないだろうか?
「私もついて言ってはダメですか?」
そう、この場にいたメイド、シエスタである。ハルナに続いて自分も同行を願い出たシエスタだが、ルイズは首を横に振った。
「悪いけどあんたはダメ。これ以上頭数増やせないし、ハルナと違ってあなたは絶対的な理由があるわけでもないでしょ?それに学院でのメイドの仕事はどうするの?」
「そんな…」
シエスタは断られてさすがにがっかりした様子だった。理由としてはハルナと同じく、サイトと共にいたい、ということなのだろうが、ハルナの場合は精神面で他に安心できる人間がいないからこそだ。しかしシエスタは今ルイズが言ったような理由もあり、危険な任務にわざわざ彼女まで同行させるわけにいかなかった。
「シエスタ…ごめんな。さすがにこればっかりはさ…」
サイトもできればこんなシエスタの残念そうな顔を見るくらいなら連れて行きたかったが、危険が伴う以上、ゼロもきっと反対すると考えたのでルイズの断りに反対を入れなかった。
「わかりました。サイトさんもそうおっしゃるなら、学院でおとなしくしています。でも…無事に戻ってきてくださいね?」
「ああ、もちろんだよ」
ルイズにも、ハルナにも…そして今シエスタにも約束したのだ。守れなかったら男じゃない。サイトは必ず戻ることを誓った。
(必ず戻る
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