会談-ブリーフィング-
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イト君、ミス・ヴァリエール」
「お二人とも、お元気そうで何よりですわ」
アンリエッタがいつも通りの姿を見せるサイトたちをみて、微笑する。
「姫様!」
「女王陛下がサイト君らと話をしたいと言っておったそうじゃな。じゃが、わしらも先日の未確認の亜人襲撃の一件、そしてその前の魔法学院を襲った謎の円盤のこともある。生徒の安全を考え、ぜひわしらも今回の会談に参加を申し出たのじゃ」
「そうだったんですか…」
直接話した方が都合がいいとも考えたため、ジャンバードとビデオシーバーを介した会談ではなく、こうして直接会う形での会談を求めてきたのだが、確かにオスマンたちからすれば今回のことは、今までが今までなだけに、無視することはできなかったようだ。
「では、さっそく会談を始めましょう」
出席者はサイト、ルイズ、アンリエッタ、オスマン、アニエス、コルベール。
このメンバーで会談は始まった。
「現在このトリステインは知ってのとおり、レコンキスタや彼らの操る怪獣の脅威にさらされています。その戦力はいずれも強大。対して我が国はこれまでの怪獣災害での被害が未だに癒えておりません。魔法衛士隊も以前も私が言った通り、壊滅的な被害とワルドの裏切りによって信頼は地に落ちたことで、再編はほぼ不可能となりました。
レコンキスタから降伏した兵もいますが、軍の兵として運用するにはまだ日が浅いです。それに、レコンキスタのことです。降伏した兵の中に、ねずみが入り込んでいるということも考えられます。
しかも、トリステインがこれほどの危機になってなお、己の利益のためだけに動く輩がこの国に居座り続けています。モット伯爵や、チクトンネ町の徴税官チュレンヌのように…」
貴族とは模範たる存在であるべし、トリステインではその教えは色濃く浸透している…のは口先だけだった。魔法衛士隊グリフォン隊隊長でありながら離反したワルド、権力や力を盾に慰み者目的で女性を次々と拉致し、逆らう者を排除してきたモット伯爵やチュレンヌ。その内の二名はハルケギニアでは及びもつかない力を味方につけてさらに暴走していたほどだ。
「嘆かわしいことですじゃ…我々貴族は、その身に生まれたからこそ、成さねばならないことを優先させねばならないというのに…」
オスマンは残念そう呟く。長く生き続けた分、貴族が溜め込み続けてきた負の側面を見続けてきたのだろう。
「……」
アンリエッタとしては、国を危うくさせているという点ではワルドたちを笑うことはできないと、自分でも自覚していた。レコンキスタに操られたウェールズの誘いに乗って、女王となる身でありながらその役目を放り出してしまったのだから。
「でも、私は女王です。彼らの行いを見過ごせば国の滅亡に繋がることでしょう。そのためにも、この会談にはこの国…この世界の未来のため、非常に
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