不安-エンザイエティ-part2/解ける誤解
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、そんなことない!」
サイトの心配そうな視線を見て、ハルナは慌てて首を横に振った。
「おーーい!君たち無事かね!」
すると、コルベールの声が聞こえてきて、本人がサイトたちのもとに駆け寄ってきた。すでに、再び得体のしれない存在に襲われたこの魔法学院の被害状況の確認のため、学院に勤務している教師たちが動き出していた。
「こっちは大丈夫です!コルベール先生!」
自分たちの無事を宣言したサイトがコルベールに向かって手を振った。
突然のケムール人襲撃による騒動は、ウルトラマンゼロの手によって終止符が打たれた。
しかし、ケムール人の学院襲撃は、次から始まる事件の序章に過ぎなかったことを、この時のサイトたちはまだ知らなかった。
「ケムール人がやられたか」
外から一寸の光を通さない真っ暗な闇の中、何者かの声が響いた。
「あのシェフィールドとかいう女から頼まれていた…『虚無』の小娘とやらを、あの女や我々の目を出し抜いて盗み取り、その力を独り占めするつもりだったのだろうが…」
一人だけじゃない。ほかにもまだいる。
「バカなやつだ。地球人ごときに敗れ去るような弱小種族の分際で、ウルトラマンゼロの潜伏先に手を出したのだ」
それに伴い、人魂のように闇の中で光がぽっ!と灯りだす。
「だが奴のおかげで、私たちは手を汚さずこの国のメイジ共を何体も手に入れることができた。感謝くらいはしてやらねばな…ふふふ」
せせら笑いを浮かべ、『そいつ』は耳を澄ませる。すると、どこからともなく聞こえてきた。
『出してくれ!ここから出してくれよぉ!』
『なんで私がこんな目に合うのよ!』
『貴様ら、僕を誰だと思ってるんだ!』
『貴族にこんなことをして、始祖がお許しになるとでも思ってるのか!?』
「…ふぅ、モルモット共がうるさいな。少し黙らせて来よう」
耳や頭に響くその命乞いや、立場を理解していない者の罵声が轟く。彼らにはあまりに耳障りに聞こえたらしく、この場にいた奴の一人が腰を上げる。
「一匹くらいはいいが…殺しすぎるなよ。我々は元々、この星の人間をモルモット、あるいは必要としている星人共への商品として売るのだからな」
去っていくそいつに向け、別に誰かがそう言った。
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