不安-エンザイエティ-part2/解ける誤解
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なの?」
「…おそらく、ハルケギニアの種族じゃない」
「もしかして、あのペガとかいう奴の仲間?」
「わからない。でも…似たようなものだと思う」
ケムール人の姿を見て、タバサが静かに呟く。この時の彼女とキュルケは、ペガ星人という宇宙人とすでに対峙したことがあるためか、もしかしたらそいつらと同じような存在ではと勘ぐっていた。
すると、ケムール人の出現に応じ、ついに学院内の教師や武装した平民の兵士が集まってきた。
「動くな!貴様は完全に包囲されている!」
「な、なんだこの化け物は…!?こんな奴見たことないぞ」
警戒態勢を敷く教師陣と兵たちが、決して逃がすまいとケムール人を取り囲む。兵たちは矢を放ち、そして教師は魔法を使ってケムール人を攻撃する。その中には呼びかけを行ったコルベールも交じっていた。
矢がぶすぶすっ!とケムール人の体に突き刺さり、魔法がハリネズミのようになった奴の体を襲いくる。
「食らえ、エア・カッター!」
「ファイヤーボール!!」
切り裂く風、燃え盛る火球がケムール人に、一斉に襲いかかった。
中庭での戦闘をそこまで見たところで、彼女はサイトがいないことに気付く。
「ねぇ、ダーリンはどうしたの?姿が見えないんだけど…」
彼の名前を口にされ、三人の表情が一気に暗くなった。わかりやすいリアクションの返し方に、キュルケは何かが…それもかなり悪いことが起きたことを察した。
「サイト…」
「平賀君…」
召喚されたあの日から、何度も自分を助けてくれた。
仮病であるハルナのために、彼女の仮病を疑うことなく世話をしてくれていた。
ギーシュに下らない言いがかりをつけられた自分をかばってくれた。
どんな危機に陥ることがあっても、必ず帰ってきて、当たり前のように笑っていたはずのサイト。
だが、自分たちの目の前で、あっさりと消されてしまった。
「いや…嘘よ…こんなの…」
いまだ現実を受け入れられない様子だった。
まさか、こんな形で…彼を…『喪う』ことになるだなんて…誰が想像したことか。
しかし、彼女たちに追い打ちをかけるようにさらなる絶望が迫りくる。
「ルイズ!!」
キュルケが叫ぶ。その時、中庭にてさらなる危機が訪れていた。
「う、うわあああああああああ!!!」
中庭の方で、悲鳴が轟いた。ルイズもキュルケに促され窓の外を見る。
絶望的なものをその目に見た。ケムール人を取り囲んでいたはずの教師陣や見張りの兵士たちが一斉に散り散りとなっていた。ケムール人の立っていた場所には、さらに巨大な影が天を射抜くように立ち上っていた。
「怪人が…巨大化した…」
タバサはいつもの静かな口調ではあったが、その声の中には驚きと焦りが混ざりこんでいた。
魔法学院の大人たちの一斉攻撃によって、ケムール人は倒
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