第四十五話 牟田大尉!刺繍も芸術!!その六
[8]前話 [2]次話
「刺繍もまた心です」
「書道等と同じですね」
「それをしている人の心が出ますね」
「そうです」
まさにとだ、その彼牟田は少女達に話した。
「ですから」
「刺繍を通じて心も清らかに」
「そうしていかないといけませんね」
「己の心を清める」
「刺繍を通じて」
「そうです、刺繍は心が出ますので」
だからだというのだ。
「余計にです」
「己の心を最初からですね」
「清らかにして」
「心を落ち着かせてですね」
「はじめるのですね」
「そうです、そのことをお願いします」
是非にとも言う牟田だった、そしてだった。
刺繍をしてだ、自身のそれを少女達にも見せた。
「如何でしょうか」
「お見事です」
「まさに絵です」
天の川を白い絹に描いているそれがというのだ。
「それ程のものを縫われるとは」
「お見事です」
「上には上があります」
瞑目する様にしてだ、牟田は言う。
「ですから私なぞはです」
「これでもですか」
「これだけのものを縫われても」
「上には上がですか」
「あるのですか」
「そうです」
これが少女達への言葉だ。
「そのことをお知り下さい」
「刺繍にも果てがない」
「何処までも上があるのですね」
「頂上がなくて」
「果てしなく精進していけるのですね」
「そうなのです」
まさにというのだ。
「ですから」
「はい、私達も」
「励んでいきます」
「刺繍の道を進んでいきます」
「何処までも」
少女達も目覚めた、道に。牟田は少女達に刺繍を通じてそうした人としてのあり方も話したのである。そしてだった。
迎えに来た瞬にだった、敬礼をしてから言った。
「これよりですね」
「海遊館においてです」
「勝負をしますね」
「私はこれまで何度も敗北を喫してきました」
苦い顔でだ、瞬は言った。
「しかしです」
「今度こそですね」
「その雪辱を晴らしそれ以上に」
「我等日帝衆の悲願を達成する」
「そうしたいです」
「その心私も同じです」
美女の様な顔でだ、牟田は毅然として言った。
「これまでの無念を晴らし」
「そのうえで」
「あの半島を再び併合しましょう」
「先の併合は失敗しました」
併合自体が失敗だったと言えば元も子もない。実際にあの併合は日本の歴史上最悪の他のものがカ霞む程の失態だったと言われている。
「しかしです」
「はい、今回こそは」
「彼等に勝ち」
そのジャスティスカイザー達にだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ