第37話 NOVA form 2
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「なんで、キャシーさんが……」
「彼女を知っているの?」
「あ、いや……知り合いというか……なんというか……」
歯切れ悪く言っている間に、その刃がアーネットを切り裂いていく。その惨状に、思わずカズトが動いた。
グラディウスを展開させるのに要した時間はコンマ1秒もかからなかった。
大剣を構え、キャシーとアーネットの間に入り、その剣撃を受け止める。それだけの動作なのに身体にとてつもない負荷が掛かった。
「あ、アオイ・カズト??」
「っ!下がれ??」
アーネットがカズトの登場に驚きの声を上げるが、それに構っている余裕はカズトにはなかった。前回の模擬戦では手を抜いていたということが明らかに分かるほどの乱撃に、思わず彼女を突き飛ばす。
顔面目掛けて飛んでくる拳を弾きながら進もうとするが、そんな間は開けてもらえない。間髪入れずに襲いかかる拳と斬撃をグラディウスで反撃していくが、傷を負ったところでキャシーが止まる気配はない。
そして、遂にグラディウスが叩き折られ、完全なる隙が生まれてしまった。それをキャシーが見逃すわけはなく、即座に咽喉元へと刃を滑らせてくる。咄嗟に籠手のつけられた右腕で防御しようとするが、おそらく間に合わない。
来るであろう衝撃に身をすくませる。
しかし、それが来ることはなかった。キャシーの剣撃を阻み、その身を蹴り飛ばした影が現れたのだ。
「ッ、サテラさん」
「カズト、大丈夫?」
傷ついているカズトを労わるかのように、サテラがキャシーとの間に割って入ってきたのだ。
「たく、先走りすぎたっての」
「早死しますわよ」
アーネツトにガネッサも立ち上がり、戦闘態勢に入った。アーサーは後方に待機し、フリージングの準備をしている。
ここからは総力戦だ。先に息を切らした方が負けてしまう。グラディウスを再び展開し、正眼に構える。キャシーはまず間違いなくこの4人よりも格上。全員で一斉にかかったところで勝てるかどうかは、怪しいところであろう。
「行くわよ。カズト」
険しく眼を細めていると、サテラがカズトの隣に立つ。その瞳に宿っているのは、誰にも負けないという光。
この人が隣にいてくれれば、何でもできる気がしてくる。
「はい。サテラさん」
そう、うなづいた時だ。2人の間に旋風が吹き抜けた。正確に言えば、吹き抜けたという現象がすでに起こった後に音が聞こえたのだ。
恐る恐る風の行く先へと眼を向けた。
そこにあったのは、一瞬の死闘の跡。
「カッ……ハ……」
アーネットの全身が切り刻まれ、立つことすらもままならないほどのダメージを受けている。
そこにいたのは、イーストの神速。聖痕の過剰活性化によって自我を飲まれようとも、彼女の実力は衰えるとこを知らない。
その証拠に、
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