6部分:第六章
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取ったの」
「最後の一つだったよな、その一つが」
「そんなのでガタガタ言わないの」
しかも居直るだけで済まなかった。
「あんただってこの前私が読んでた漫画勝手に借りたじゃない」
「後ですぐに返しただよ」
「読んだ後でストーリーまで言って」
「そんなの読んだらわかるだろうがよ」
「それを読むのが楽しみでしょ。違う?」
お世辞にもレベルが高いとは言えない言い争いは続いていく。
「あんたのせいでその楽しみがね」
「クレープ一個と比べたら安いだろうがよ」
「安いわけないでしょ」
こんな言い争いだった。しかし外からは聞こえない。皆屋上の扉の裏側でその話を聞いていた。しかしぎゃあぎゃあと五月蝿い彼等の言葉は聞こえてもその内容までは把握できなかった。要するに何を言っているのかまではわからなかったのである。
「何て言ってるんだろ」
「さあ」
皆話がわからず首を傾げていた。
「何か凄い勢いで言い争ってるのはわかるけれど」
「内容まではな」
「わからないわ」
そうなのだった。
「それにしても物凄い言い争いだけれど」
「こりゃ仲直りできないかもね」
「そうかもな」
もう話の内容は置いておいてそのうえでこのことを考え合うのだった。
「この有様じゃね。とても」
「仲直りどころじゃないかも」
「確かに」
一か八かだったがそれは失敗に終わるのではと思ったのだった。
「喧嘩激しくなってるし」
「破局かなあ」
「これはな」
遂には最悪の事態まで考えられるのだった。
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