第21話竜王拳
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イリュウの発言。それには妹のミラも呆れて物も言えない始末。だが重要なのはそこではない。この状況でライリュウはーーー
「笑える余裕が出来たか?《隻竜》」
「ハハハハ・・・そうかもな」
三人が負傷しているとはいえ、目の前には四人の殺人鬼がいる。おまけに一人は過去のトラウマ、心の傷の象徴を握っている。味方は動けない妹のミラ一人。この圧倒的不利な状況下でーーー大笑いするほどの余裕を手にいれていた。だがこの少年の笑顔は徐々に怒りの表情へと変わる。
「お前ら、何でオレがこの忍者装束を着てるのか分かるか?」
「あん?早く動くためか?」
「違ぇよバカ。ミラ、お前には話したろ?」
「・・・ラフコフに殺されたみんなの・・・アリーさんの無念を晴らすため」
ライリュウが忍者装束を纏い続ける理由、それはかつて《笑う棺桶》に惨殺された親友達のギルド、《リトルギガント》のーーー強いては自分を愛してくれていた少女アリーの無念を晴らす意味を込めてーーー
「あのくの一のガキか?確か色は・・・」
「ああ、すみれ色だ。赤じゃない」
アリーのくの一装束を意識して、あえて忍者装束を彼ライリュウは選んだ。色だけは除いて。
「この赤はお前らへの復讐を決意した・・・殺人者を焼き払うことを誓った炎だ!!」
『!?』
友を殺した殺人者への復讐。この言葉を聞いたミラを含めた全員の顔が驚愕の色に染まる。PoHを除いた全員の顔が。
「ごめんなミラ・・・こんな悪い兄ちゃんで」
妹への謝罪ーーー
「PoHは最後だ。・・・おいテメェら三人」
「やめろ・・・」
「頼む・・・助けて!」
「命だけは・・・」
命を乞う男達の声は耳に入らないーーー
「テメェら・・・死ぬ覚悟は出来てんだろうなぁ!?」
その覇気はまさしく怒り狂った竜の如くーーー
「《竜王拳》・・・!」
深紅の光を纏う隻腕の《竜王》の拳が懐に潜ったが最後ーーー
「《八又の大蛇・深紅》!!」
『ぐぁぁぁぁぁぁああ!!』
三人の愚かな男達はーーー光の破片となり消え失せた。
「・・・待たせたな」
「・・・待ってやったぜ」
暫しの沈黙は破られ、ライリュウとPoHの口が開かれる。その手に握るは《ドラゴンビート》と《友切包丁》。この瞬間よりーーー
「決着つけようぜ・・・!」
「イッツ・・・ショウタイム!」
因縁の再戦が始まるーーー
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