第21話竜王拳
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未だに武脚をめり込まれた鳩尾に手を当てる殺人ギルド《笑う棺桶》の男と、その男と同格の二人の男。そして、《笑う棺桶》リーダー・PoH。この四人の殺人鬼達に、竜の翼の意味を持つ大剣を向ける少年がいた。彼の名はライリュウ。その身に黒きマントに赤き忍びの衣、右手に竜燐の籠手を纏い、己の妹を泣かせた男達に鋭い眼差しを向ける、《隻腕のドラゴン》なりーーー
「オレでも気付かねぇスピードか・・・思ったよりやるじゃねぇの。《隻竜》クン」
「そいつはどうも。それより・・・そいつ助けなくていいのか?悶え苦しんでるぞ?」
「馴れ合いは・・・《ラフコフ》に必要ない」
「殺人鬼に仲間意識はないってか。ハチミツすすってそうな名前してとんでもねぇ奴だな」
未だに悶え苦しむ己の仲間に心配はない。それどころか気に掛けもしない。その答えに対し軽口を叩き合う戦況に変化が起きる。
『死にな《隻竜》ゥゥゥゥゥゥ!』
「テメェら、そいつはオレが殺るっつったろ」
ライリュウに斬りかかるラフコフ三人衆。その彼らに自分が出した命令を思い出させようと声を掛けるPoH。だが誰の命令があろうとーーーもうこの勢いは止まらない。
「三人なら・・・いけるか?」
「お兄ちゃん・・・?」
ライリュウはこの状況を何とも思うこともなく、己の大剣《ドラゴンビート》を鞘にしまい、拳を地につけ身を屈める。その光景を妹の《竜の巫女》は違和感を覚える。今までの兄の構え方とは違う構えーーー
「《竜王拳》・・・」
「あれってまさか・・・」
一年と4ヶ月前、今は亡きギルドの仲間との試合の際に少しだけ見せたーーー
ーーーオレ《体術スキル》取ってんだーーー
「《ウロボロス》!!」
武脚の輝きがブレイクダンスの如く襲いかかる敵三人を蹴り落とす。その威力は、半減した彼らのHPが物語っている。
「《体術スキル》か・・・」
「盲点だったなPoH。ちなみに、《完全習得》してるぜ」
《体術スキル》とは武器を必要としない、己の肉体を武器とする、この世界における格闘家になることが出来るシステム。剣や槍を持つこのSAOで実戦に使用するケースはないわけではないが極めて少ない。殺人組織のトップに立つPoHも盲点だったのだろうーーーそれも目の前にいる少年は、それを極めた達人。
「しかし・・・《体術スキル》ってのは我流拳法も作れんのか?」
「ああ、あれ?別にテキトーだけど?」
『テキトーなのかよ!!』
「技の動作に合わせて格好いい名前考えただけ。実際ソードスキルより自由に動けるから。ダハハハハ!」
本来ツッコミ等を入れるような団体がツッコムほどのラ
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