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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-36
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分かりません。それともう飛行機で日本に向かっているようです」
「そうか……すまないが、山田先生、あいつを迎えに行ってくれないか?」
「分かりました。時間を見ていきますね」
「すまない、助かる」


 ――いったい何があったんだラウラ。どうしてお前がドイツから切られなければいけないんだ。……くそっ。


 ◯


 IS学園に向かうモノレールの中に今日まで蓮の実家に帰省と旅行していた面々はいた。流石に見袰衣麗菜とは別れたが。
 セシリアとシャルロットは疲れてしまったのか寝てしまい、箒は何かを考えるように難しい顔をしている。鈴は窓枠に肘を立て、頬杖をつき黄昏るように窓の外を流れる景色に目を向けていた。一夏も箒の隣に座ってぼっとしているのか心在らずといった様子である。


『みんな疲れてるねえ』
『そりゃあな。あれだけはしゃいで遊んでいればこうなるだろ』
『新幹線の中でも寝ていたのにねえ』
『それは同意。よく寝るよな、あの金髪二人組』


 蓮と束は並んで座っている。五人からはそうとしか見えないが、実際は手を繋いでいる。それで外を眺めているように見せかけて個人通信(プライベート・チャンネル)を使って他の人たちを見ながら話していた。


 それから十分もしないうちにIS学園前につく。鈴がみんなを起こして降りそこねない様に降りた。


「ありがとな、御袰衣。楽しかったよ」
「いや、俺の方こそ手伝ってもらって助かった」
「そっか、じゃあまたな」
「ああ」


 一夏が先頭で学園に向かい、その後ろを箒とセシリアにシャルロットが追いかける。鈴が蓮の隣から動かないことが気になり、聞いた。


「鈴は行かなくてもいいのか?」
「別に……あんな奴のことなんか」


 どうやら彼に抱いていた淡い感情はすでに遠い彼方へ消えていたようで冷めた目で一夏の背中を見送っていた。三人は寮に向かった四人の姿が見えなくなるまで佇んでいた。会話も交わさず、立っていること数分。ようやく四人の姿が見えなくなり、鈴が口を開いた。


「この旅行の間にこれから起こそうとしていること。全部束さんと麗菜さんから聞いた」
「……」
「正直言って怖い。世界規模のテロなんて出来るわけないって思ってるけど、束さんもいるし、麗菜さんもいる。それに組織には相当数の強者がいる。ISもある。結果はどうなるか分からないけど、実行することはできる。……でも、やっぱり怖い」
「それは計画が失敗することが? それとも死ぬことが?」
「どっちもよ」


 鈴は蓮からの問いに間髪入れずに答えた。
 夕方というべき時間帯に入り、太陽はだんだんと水平線に近づく。横から照り付ける光が鈴を儚く見せていた。それに加えて鈴と蓮の間には身長差がある
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